中2の時の話かな。
うちの庭に1.5メートルぐらいの木があって、それが成長してきて邪魔になってきたから切ったんだ。
その時は特に何も感じなかったんだけど、その日の夜に2階で寝てたら1階で寝てた母親が「○○!○○!(俺の名前)」って叫んでるの。
それで(うぜーな)とか思いながらしぶしぶ1階に行ったんだけど、当たり前だけど親の寝てた部屋には窓があって、その部屋は和室だったから障子が貼られてたのね。
「その障子が外側からボスボス叩かれてる」って親が言うの。
当然昼間に窓も閉めたし、俺は最初「夢でも見たんだろ?」とか言ってた。
実際にその部屋に2人でいた時は叩かれてなかったしね。
でも怖がり方が尋常じゃないから、とりあえず俺の寝室の2階にふとん運んでたわけ。
怖いから横で寝たいとか言われてね。
かなり嫌だったけど、まあしょうがないと思って。
それで親が掛け布団を2階に運んでいって、階段を登っていった。
そしたら親の寝室には俺だけになったんだけど、ひとりになったとたんボスッ!ボスッ!って障子が鳴り出した。
外側から指先で押されてるみたいに内側に出っ張りながら。
しかもリズムが一定なんだよ。
ぴったり1秒間隔でボスボス何者かがつついてやがるわけ。
「誰だコノヤロー!」とかそんな感じのことを叫んだんだけど、何の反応もなく、そのリズムは一定でボスボスつつき続けてる。
怖すぎて障子を開ける気にならなくて、すぐに2階に親の布団を運んでその日は寝たんだ。
枕元には木刀を置いといた。
まあほとんど寝られなかったけどね。
何で警察呼ばなかった、とか思われるかもしれないけど、それは完全に人間じゃなくて他の何かだとすぐにわかったんだよ。
そこの窓は普通の窓(真ん中で仕切られてるタイプね。
片方を開けた状態なら絶対に片方は閉まってる)だったのに、その障子をつっついてるものは障子の左側と右側の両方をつっついてた。
わかってもらえるかな。
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↑これが障子で、真ん中で仕切られてるのに、左右両方とも叩かれた。
それで朝になったんだけど、その障子を開いてみてもやっぱり窓が閉まっててカギもかかってる。
しかも窓の外側には格子(窓のサイズにあわせてその部分だけにつける防犯グッズ的なもの)もついてた。
もう完全にあれですよ。
間違いない。って話になって、さらに次の日に神社でお祓いしてもらったんだよ。
事件の前に木を切ったことを言うと、坊さんは一言で言うと木の呪いとか言ってた。
それ以上のことも言ってませんでした。
それからは障子が音をたてることもなくなって、母親もまだ元気で生きてます。
もう二度と木は切りたくないと心底思った。