ちょっと9年ぐらい前に友人から聞いた話を思いだしたんで
その友人は要らなくなった車や鉄くずをスクラップにする仕事についてたんだけどある日いつものように廃車を重ねて圧力をかけて潰す機械のところに運んだわけ
潰す方法はいたって簡単で上にある重りをコントロール室の上下ボタンで操作するだけのやつ
それでいつも通りに作業を始めて、見る見る内に重ねた廃車が上から音を立てて潰れていくんだけど突然叫び声が聞こえたらしいんだ
「ああああぁああぁがあああ!!!」
って感じの物凄い叫び声が驚いた友人はとっさに停止ボタンを押したんだって
そんで潰れかけてる廃車のとこまで見に行ったら人らしきものが車の中で挟まってたらしい
友人は大慌てで救急車を呼んだんだけどもうすでに中の人死んでたんだよね
警察とかも来てとにかく挟まったままじゃしょうがないって言うんで重りを上げるんだけど、なんとも酷い感じで頭から下はほとんど潰れてた見たい
内臓とかもろで飛び出してるっぽくて何というか潰れてる最中見たいなありさま
口からはなんだかわからない赤い物体が垂れてお腹の辺りは小腸だか大腸だかが溢れてた
あと便臭も酷かったらしい
これまで廃車を山ほど潰してきたけど人間が潰れる所を見たのは始めてだって友人が苦笑いしながら話してた
それから警察がその潰れた人の身元とか調べてたんだけど、どうやら住所も親族もわからなかったみたい
まあ、いわゆるホームレスだったらしい
なんでそのホームレスがその廃車に居たのかはわからなかった
そこで生活してたのかも不明だしホームレスが居ついてたなんて話もなかったらいんだ
それに寝てたとしてもあれだけの騒音が鳴ってるのに気づかないはずがない
気づいていたら普通は逃げるし
と、わけのわからない事件があったことを酒を飲みながら友人は語ってくれた