久しぶりだね

久しぶりだね 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

高校時代からの友人から聞いた話

ソイツ(Tとします)は2chでオカ板を見るのが好きでその日もROMってた。
すると携帯にメールが。
でも許可した覚えのないアドレス。
(え?なんで?設定変えてないハズなんだけど)確認したがやっぱり許可したメールしか受け取らない様に成ってる。
(壊れたのかな?)と、しばらく無視してスレを見てた。

ところが10分くらい毎にメールが来る。
いい加減鬱陶しいくて内容を読む。

最初から2・3通は無言。
ただ何故かGPS所在付きのメールだったそうだ。(Tはauを使ってる)
しかも有り得ない程詳しく。(EZナビウォーク地図がそのまま出てる様な感じだったそうだ)
その所在が徐々に近づいて来ているらしい。
段々怖くなってきた。
が、指は次のメールを開ける。

「久しぶりだね。顔を見たくなった」

恐怖ネタばっかり読んでたせいか、コレは只の悪戯じゃない。
だって、いくらなんでも新手の詐欺とか思えなかった。

離れの自分の部屋から母屋の家族の元に一目散に非難する。
すると母親が

「今ね、丁度伯父さんが亡くなったって電話があったよ」

それだったのか・・・血相を変えて降りてきたTに母親が何か合ったのか聞かれて在りのままを話した。

「・・・そうかい?でも・・・いいよ。アンタも通夜に出る?」

一応、何か伝えたかったんじゃないかと思って出席したそうだ。
伯父は一人身で家族も居なかった。
通夜は出たが、少ない近所付き合いとT達親類だけだった。

その夜、伯父の夢を見た。
Tが小さい頃、一度だけ一緒にピクニックに行った時の夢。
何が楽しかったのか良く覚えていない。
でもとても嬉しくていつまでも一緒に遊んで居たかった。
その思い出だけが残った夢。
そろそろ家に帰らなきゃいけない。
Tはごねた。
その時唐突に、夢が今の時間に戻った。

伯父「おまえとは殆ど話す事もなかったな」
T「・・・伯父さん。あの時楽しかったよ」
伯父「赤ん坊のおまえを抱き上げたっきりで・・・何せおまえ、ヒャンヒャン泣いてなぁ」
T「忘れたの?ピクニック行ったじゃないか。ほら、俺が・・・6」
伯父「それは俺じゃない」
T「?何言ってんだい・・・アレ?伯父さん・・・」

目の前の伯父の姿はいつの間にか掻き消えて、夢は終わった。
なんであんな事言ったんだろう・・・ふと葬式も終わり、四十九日も過ぎた頃、母親に夢の話をした。

母「○○(伯父の名)はTが生まれて1年くらいでずっと海外を飛び回ってたじゃないか。
戻って来たのはここ5年くらいだよ。・・・それに」
T「何?」
母「ハイキングって、Tが幼稚園の時の親子遠足の時でしょ?・・・一緒に行ったのはあんたの父親だよ」
Tの家は小学校の頃離婚して、それからずっと父親と会った事は無かったそうだ。

それじゃ・・・もしかして親父が?そう口走ってしまい、あっ!と、Tは声を上げた。
それを見て母親が溜息混じりに言ったそうだ。

「あんたの親父はちゃんと生きてるよ。
・・・ほら、これ電話番号。
この間変な事言ってたから連絡取ってみたよ。」
T「違う!違うんだ!・・・俺・・・」

Tは思い出したそうです。話をしている間ずっと震えてましたが。
子供の頃、確かに父親と遠足に行った記憶はある。
だけど、あの夢はそれと全く違う。
あの時幼い自分の手を引いて、近くの山に上ったのは別の全然知らないオジサンだった事。
お昼に一緒に食った弁当は何故かそのオジサンが持ってきてて、帰り道で夕日も見た事。
自分は何故かそのオジサンがとても気に入ってしまって、帰るのがイヤだとごねるTをやさしく抱きしめてくれて宥めてくれた事。
山道から降りて来る時、ここでお別れだと告げられとても寂しそうに手を振ってくれた事。

T「それからずっと忘れてしまうまで、俺毎日この山の参道を探しとったんよ。」
T「どうしても探しきらん。今思えば変な感じやった。だって思い出す度どこにも覚えてる雰囲気と一致せん。確かにこの山だったのに、あの山道の入り口が見付らん」
T「全く見覚えの無い人やった。でも、なんかデッカイ人って感じ」

当時帰宅してその事を話しても、誰も本気にしなかったそうだ。
(今なら立派な誘拐未遂事件とかになりますね)
見上げる山は田舎ならどこにでもある感じの山。

T「だけど、尚更納得がイカンのよ。あの人がメールなんてとても考えられんし・・・」

ちなみに食った弁当は海苔をたっぷり貼った特大の握り飯とかだったそうな。

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