友達の中学教師。
新任できた田舎の中学の周辺、これというアパートがないので、校長先生の持ち家を貸してもらうことになった。
小さな一戸建てなんすけど、昼間でも薄暗い。
窓の外が切り通しの崖になってて、日影なんだね。
最初は、友人も窓をあけてたんだけど、だれかにみられている気がして、カーテンを閉めきりにするようになった。
夜寝ると、窓に顔がびっしり並んでる夢ばかりみて、おかしいと思いだしたら、両親が様子をみにきた。
「昼からカーテンしめちゃダメでしょ」
とパーッとカーテンをあけ、外が草ぼうぼうだから、ちょっとむしってくるといって、軍手はめてでかけていったものの、十分もたたないうちに青い顔で戻ってきて、引っ越しをすすめる。
造成される前、どうも墓山があったらしく、墓石の類がまだ草の中に、ゴロゴロしてたんだってね。
あわてて引っ越したそうだ。
今彼女、町中のお寺さんの横にあるマンションにすんでる。
日当たりはいいし、見通しはきくしで、快適だそうだ。
幽霊の気配もゼロ。
墓場だからとでるとは限らないのだね。