サバの切り身

サバの切り身 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

スーパーでおかしなおじいさんに会った。

鮮魚コーナーで2つ並んでたサバの切り身のパックのうちの片方を手に取ってたら、いきなりは背後から「そのサバはようない、あっちがええ」って言われては?ってなって振り向いたら、おじいさんがいた。
その人、年齢的には50代くらいにも見えたんだけど、何故か私は『おじいさんだ』って思った。
その人はそれだけ言うとさっさといなくなっちゃって、私は何故かその人が言ってたもう一つのサバの切り身を買って帰った。

帰って母にその話をしたら、母が「じいさん(母の実父)が来たんかも」って言い出した。
私の祖父は漁師で、私が生まれてすぐ50代で亡くなってる。
祖父宅には遺影もあるんだけど、ここ数年は行ってなくて顔なんてすっかり忘れてた。
でも母がいつも持ち歩いてる写真見せてもらったら、もろ祖父だった。

母に話を聞いたら、祖父は亡くなってから何年かおきに母の夢に出てきて、あれが食べたいとかあれが飲みたいとか要求してきてたらしい。
母はその都度、祖父の墓にそれを持って行ってたんだって。
母には他に姉と弟がいるんだかど、その姉弟にも要求があったこともあるらしい。
とりあえず買ってきた鯖はすぐ祖父宅(車で十分くらいの距離)に持っていき、祖父が好きだった塩焼きにして仏壇に供えた。

それが昨日の話。
何で今年は孫である私だったのか、しかも夢ではなく本当に普通にいたのか。
私はこれまで霊なんて見たことも感じたこともないのに。

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