三重県の幽霊トンネル

三重県の幽霊トンネル 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

これは、友人A子さんの体験談です。

一昨年の秋。
A子さんは会社の同僚4人とバーベキューへ行くことになり、三重県にある会場へ車で向かっている途中に起きた話。

男女4人でワイワイ騒ぎながら向かっていたそうですが、滋賀県と三重県の県境に入ったところで道が二つに分かれました。
片方は、広い国道で遠回り。
もう片方は、狭い脇道の近道。

お決まりのパターンで狭い近道を選んだ4人だったのですが、ある程度、車を走らせたところで、トンネルに差し掛かったそうです。
運転している男性が、

「このトンネル、すごく気持ち悪い」

と言いました。
その男性は、強い霊感の持ち主で、頻繁に幽霊を見るそうです。
ちなみに、その時の座席の配置は、霊感のある男性が運転席。
助手席はA子さん。
後部座席にもう一人の女性、その隣にもう一人の男性でした。

トンネルを走り続け、車を前へ進めるにつれ、運転している男性の顔色が悪くなり、どんどん気分も悪くなったそうです。
トンネルの半分くらいに差し掛かったところで、

「前方の左側の路側帯に、上半身だけ血だらけの女性がいる」

と運転手の男性が言いました。
車内はキャーキャーと大盛り上がり。
もちろん、運転をしている男性以外は、全く女性の姿は見えていません。
運転手の男性が、

「今、真横を通り過ぎた」

と左側を横目で見ながら言った瞬間、車が急に停車し、前へ進まなくなりました。
同時に、後部座席の女性が奇声を上げ、暴れ出したそうです。
何を言っていたのかは聞き取れなかったそうです。
車はエンジンがかかったまま、アクセルを踏んでも前へ進みません。
車内はパニックの渦。

その状況が数分続いたその時、
運転手の男性が、

「うわーーー!!
ちょ、ちょっと俺の足元みてくれ!!」

助手席に座っていたA子さんは、運転手の足元を見ると、血だらけの女性が運転手の男性の足にしがみつき、股のあいだから顔を出し、凄い形相で男性を見ていたそうです。
さらに、運転手の男性がアクセルだと思い一生懸命に踏んでいたものは、血だらけの女性の手の甲だったそうです。

「ギャーーーーー!!」

A子さんが叫び、車内のパニックがピークに達した時、運転手の足元の血だらけの女性はフッと消え、奇声を上げていた女性もおとなしくなり、気を失ったそうです。

その後、車が動くようになり、急いでトンネルを抜けようとしたそうです。
少し車を走らせ、トンネルの4分の3ぐらいのところで、反対車線にエンジンをかけたまま停車しているトラックがあったそうです。
もしかして、このトラックも血だらけの女性に襲われているのでは・・・。
一同がそう思い、トラックの助手席を見ると、血だらけの女性がトラックの運転手のおっさんの背後から覆い被さっていたそうです。
その姿は気絶している女性以外の全員が見たそうです。

A子さんの体験談はここまでで、その生々しい話に興味を持ち、三重出身の友人2人にその話をしました。
すると友人は2人とも、そのスポットを知っており、三重県では有名な幽霊トンネルだそうです。
ちなみに片方の三重出身の友達のお姉さんの元彼氏が、その幽霊トンネルで亡くなっているそうです。

その時の状況は、A子さんの話と同じ現象に遭い、運転をしていた元彼氏以外の全員が怖くて車から飛び出し、自分の足で走ってトンネルを抜けたところまで逃げたそうです。
しかし、どれだけ待っても元彼氏の車はその場に現れず、不審に思いトンネルの方を探しに行くと、トンネルを抜けたところのカーブでガードレールを突き抜けて、崖から落ちて亡くなられたそうです。

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