俺が小4の時(現在高一)、香港に住んでて、香港日本人学校っていう小学校に通っていました。
そして、そこのイベントでポーランコックっていうホテルに一泊二日で泊まることになりました。
そのホテルは敷地内にバスケコート・テニスコート・サイクリングロード・アーチェリー場、はたまたカヌーが出来る川が流れてたりなど遊ぶにはうってつけの場所でした。
ガキだった俺らは一日中好きな所に行って部屋に戻る時間ギリギリまで遊んでいました。
そんで、俺が川で遊んでてビショ濡れになった運動靴をかえようと部屋に戻った時、ドアの向こうから楽器の音が聞こえました。
「・・・なんだ?」
ドアを開くと、部屋には7人くらいの紫の服を着た少女達が吹奏楽器を演奏していました。
しかも、俺らの使っていたベットや椅子に座って。
こいつらもかなり奇妙でしたがさらにおかしいのは友人(丸山という子です)が普通にその部屋で本を読んでいることなのです。
「おい!丸山!!何だよこいつら!!」
そう聞いても丸山は本から視線を外さず、何も言いませんでした。
仕方なく俺は<もういいからさっさと靴を変えよう>と思い、バックを突っ込んでいる棚に向かいました。
そして、その際に女の内の1人に明らかに聞こえるように舌打ちすると
「さっさと帰れよ。」
と言いました。
そして靴を変え、顔をあげると楽器の少女たちは消えていました。
俺はそれも気にせず、さっさと部屋を出て川で遊ぶ友人の元へ向かいました。
ここでおかしな事が。
何故俺はこの時、
<少女達が消えたのに疑問を持たなかったのか?>
それは自分でも分かりません。
何故か、その時には既にそいつらの事が頭からほとんど消えていたのです。
まるで元々いなかったかのように。
当たり前のように思えていて、疑問も恐怖も湧きませんでした。
そして、午後五時になって(日本だと時差で6時)終了時間になり再び部屋に戻って、汚れた服を着替えていた時、今度は同じ部屋の井上って奴がいきなり「うわ!!」と叫び、天井を指指しているのです。
見ると、そこには天窓がありました。
「どうしたんだよ?イノ?」
「そこで今、女が覗いてたんだよーー!!」
「何馬鹿な事言ってんだよ。何もいないじゃん。」
「今、いたんだって!!」
どうやら井上はマジで見たらしいです。
ここで数時間前、この部屋で変な少女達を見ていた俺はそのことを思い出し言おうとしましたが、何故かその記憶はまた一瞬で消えていってしまいました。
この話は結局井上の見間違いという事になり、俺らは夕食の会場へ向かいました。
そして、その席でそこの職員さんたちが、先生の通訳を通じて怪談を始めました。
どうやらここは奇妙な現象の耐えない場所のようです。
夜中にコートに出されていたバスケボールが子供の声と一緒に跳ねたり、繋いでおいたカヌーの位置がずれていたりなどはザラで、最後に話してくれた封印された棟の話では、
(事実、俺らの泊まっている棟から少し離れた場所に入り口が鎖で縛られた棟がありました。)
数年前、深夜まで作業していたその職員さんがようやく作業を終え、遠くにあった職員の棟に戻るのも面倒だったのでちょうど近くにあったその棟で寝ることにしたそうです。
「もう疲れたからシャワーは朝でいいか。」
そう思い、ベッドに入ろうとしたら天井からバンバン!という音が。
天井を見ると井上が見た状態と同じく天窓に全身水びだしの女がいたそうです。
「うわあああ!」
職員さんが慌ててドアに飛びつくとノブが鍵も無いのに回らなかったそうです。
パニックになった職員さんはそのノブを床に置いてあったベッドの支柱で叩き壊すとドアを押し開けたそうです。
ドアが開くとそこにはあの天窓にいた女が・・・。
そこで職員さんは気絶。
朝、目覚めるとその部屋にはお札がベタベタ貼られており神棚までつくられ、線香もたいてあったそうです。
入った時にはそんなものには気づかなかった。
職員さんは苦笑しながら話してくれました。
その夕食の後に肝試しが行われたので肝試しを盛り上げるための余興とも取れるのですが、事実、うちの部屋のメンバーが天窓の女は見ているし、その時は忘れていましたが、楽器を吹く7人の女も俺は見ています。
どうやらこのポーランコックという所はまだまだ色んな幽霊がいるみたいです。
っていうか香港は幽霊が多すぎる。俺の家にもいたし・・・。
とにかく、話は終わりです。
駄文を長々とスミマセンでした。
一応言うと嘘は一切無いです。
楽器の少女達といい、その時は何とも思わなかったのに今、思い出すとかなり怖い体験談でした。