預けられた家

預けられた家 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

子供の頃体が弱かった。
どれくらい弱かったかというと、有名童謡を地でいくいくらい。
風が吹いたら(体調崩して)遅刻して♪雨が降ったら(熱を出して)お休みで♪  みたいな。
そんな俺が親戚のおばさんの家に預けられた。
小学校1~2年生くらいだったと思う。
特に何かをしたという記憶はない。
たま~に家庭菜園を手伝ったような気がする。
同い年くらいの女の子がいて、ちょっとだけ一緒に遊んだような気がする。

3日ほど経った日、おばさんが
「仏壇をチーンしてきて。それからお供えしてあるご飯を食べなさい。体が丈夫になるから」
と言い出して、言われるままに金属製のお椀みたいなものを1回鳴らして、ゆで卵置きみたいなのに丸く盛ってあったご飯を食べた。
冷めて表面がちょっと固くなりかけてて、でも甘くって美味しかった。

その日の夜、かーちゃんが迎えに来てくれて、家に帰った。

なんとなくオチ読めるんじゃないかと思うんだけど、この間この話をかーちゃんにしたら、
「体の弱かったあんたを何日もよそのお宅に預けられるわけないじゃない」
と言われたw
確かにそうだwww

この不思議な記憶が関係しているのかどうかは分からないけど、学年が上がるにつれて俺は丈夫になり、中学高校と普通に進学した。
かーちゃんは俺が子供の頃、この子はちゃんと育たないに違いない、大人になる前に死ぬだろうと思っていたらしいが(つかお医者さんにそう言われてたらしい)、成人式も無事終えました。

記憶の中の女の子は、黒髪おかっぱで純和風の顔立ちの、楚々とした美少女です。
服装は洋服だったけど。
ここだけの話、実は今でもちょっと好きだ。

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