事故車のオコシ

事故車のオコシ 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

昔、事故車のオコシ(※修理して販売する)というかなり胡散臭い仕事を、知り合いの伝手で頼み込まれて半年位手伝っていた。

そのとき引き取ってきて直した超家族向けな車があったんだけど、それがまあ異常なハイペースで仕事が進む。
そうあっさりとは見付からないだろう中古部品がすんなり入手できたり。
作業中に怪我した俺の結構深い傷口が次の朝には塞がってたり。

んでその車、引き取りの最中にも工場での作業中にも、時折子供のキャッキャいう声が聞こえてきたりした。
で、その車は修理完了してオークションに出されて、初回で買い手が付いてどっか行った。

それから一ヶ月経ったぐらいの頃、次の仕事見付けて俺はそこ辞めたんだけど、さらに後、その仕事をやってた所に行く用事があった。
そしたら驚いたことに、その車が置いてある。
以前、俺が直す前と殆ど変わらない事故車状態で。
車体番号とか一々憶えてる訳ないんで皆気付いてないみたいだったが、一人でシコシコ直していた俺には、車体各部の細かいキズに悉く見覚えがあった。

割れていたから交換したサイドのガラスも、以前と同じように割れていた。
前に聞いた子供のキャッキャいう声が聞こえてくる前に、早々に用事を済ませて俺は帰った。

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