紫の空と海に浮かぶ黒いもの

紫の空と海に浮かぶ黒いもの 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

7年前の話なんだが、やっと最近になって解決しましたのでこちらに記載します。
高校生のときの話です。

当時私はA,Bという男友達と非常に仲がよく毎日のように三人で遊んでいました。
B君の家は地元ではそれなりに知られた名士の家だったのですが、厳しい家では無く毎日のように訪れるAや、私をBの家の方は嫌な顔ひとつせず迎えてくれました。
私は当時B君の家に仕えるCさんという4つ年上の女性に非常に憧れておりCさんもお姉さん役として私達に非常に良くしてくれておりました。

ある日の事です。
B君が変わった遊びをしようと提案をしてきました。
B君の家は屋根裏に隠れ部屋のような部屋があって、海が一望できるようになっていてそこから見える夕焼けが綺麗だという話でした。

毎日のように遊んでいたこと、私が夕焼けが大好きだったこと。
この二つもあり三人で屋根裏部屋から夕焼けを見ることにしました。
屋根裏部屋は大体4畳程度だったでしょうか。
3人で見るには少し狭い場所ではありましたが、作りはしっかりしていたのが印象的でした。
その部屋でお菓子を食べたりジュースを飲んだりしながら話しているといつの間にか陽が傾いていました。
私は期待に胸を膨らませ窓から外を覗くと何か違和感を感じました。
違和感の正体は直ぐにわかりました。
空が紫になっていて海の上に何か黒い物が浮いていました。
A君もB君も最初は

「うおお!すげぇええ!なんだこの夕焼け!」

等と言っていましたが、少しするとB君は突然青ざめてA君と私に天井裏部屋から出るよう指示しました。

私も嫌な感じがしていたので直ぐに賛同し降りました。
A君も少し渋っていましたがB君の顔色を見て降りました。
しかし、手遅れだったようです。

とりあえず私達はB君の部屋に集合しました。
部屋に入るなりB君はカーテンを閉めて一言

「すごくやばいことになったかも知れない」

と言い、私達を部屋に残して自分の母親を呼びに行くといって部屋を出ました。
入れ違いに青い顔をしながらCさんが来ました。
Cさんは「外を見た?」という質問を私とA君にして、私達が頷くと

「*****は見た?」

と聞きました。

「*****って黒い物?」

と私が聞くとCさんは頷きました。
二人とも頷きました。
少し間があって「目は合った?」と聞いてきました。
私は首を横に振り、A君は首を縦に振りました。
Cさんは泣きながら「ごめんね。ごめんね。」というといったん部屋を出て行きました。

雰囲気からきっとものすごく悪いことが起こったのだろうということは容易に想像できました。
A君は周りの雰囲気からかガタガタ震えていました

箇条書きでこの後起こったこと書きます。
・事件から3日後B君失踪。
・事件から1週間後お祓いを断られたA君逝去。変死体で見つかる
・事件から1ヶ月後~1年半 私、寺に預けられる。
・事件から半年後B君の変死体が海に打ち上げられる
・事件から一年後B君一家離散、その後次々に失踪、自殺
・事件から二年後寺を出た私、Cさんと再会。色々と聞く
・寺を出てから二年後、*****にまた狙われる。私の家族、失踪
・家族失踪から半年後Cさん失踪
・最近Cさん精神崩壊状態で発見。

以上です。

関わった人間は殆ど失踪か、お亡くなりになりました。
私の最後の希望だったCさんも精神がおかしくなり、ずっと壁のほうを見ながら笑っているだけです。
最後に何故これを書いたかというと、海に浮かぶ黒いもの。紫の空という条件を見たときはこれを思い出して欲しい。
関わった人間の家族に至るまで没落しました。

まだ、私は狙われています。
もう疲れました。

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