俺には5年前、Sという友達がいました。
Sとは高1の時に出会い、Sはオカルト話が大好きで、俺もオカルト話が大好きだったので、同じオカルト仲間として、よくつるんで一緒に心霊スポットとかも行ったりしてた。
でも俺は部活をやっていたので、Sは日頃からよく一人でいろんな場所に行っていたらしい。
そんなある日曜日、俺が部活の試合が終わり携帯を見ると、Sから『話したいことがあるで今から俺の家に来てくれやん?』というメール。
俺は正直試合で疲れていたので、『話って何?今日疲れとんで明日学校じゃ無理?』とメールを送ると、どうしても今日話したいとのこと。
俺はめんどくさいなと思いながらも、何か面白い場所でも見つけたんじゃないかと思い、内心ワクワクしてた。
Sの家に着きワンギリ。するとSが出てきて、
「おう、疲れてる所悪いな。まあ上がれよ」。
意外といつも通りのS。俺は少しがっかりしながらも二階のSの部屋へ。
Sと軽く雑談をした後、俺が本題の方へ切り出した。
「ところでさー、話って何よ?」
Sが少し黙った後、話しだした。
「俺さー今日暇だったから、心霊スポットとして有名な、○○山に行ってきたんだよね。
んで、○○山に着いたんだけど、まだ真っ昼間て事もあって、全然怖くないのね。
だからこのまま帰るのももったいない気がして、側に登山コースがあったもんだから、何となく登ることにしたんだ」
「登ったのかよwこのご時世で、日曜日に一人で山登る高校生なんておまえぐらいだよw」
「うるせーよw記念だよ記念。まあそれでさーいざ登ったんだけど、全然面白くないんだよね。
んで、あー暇だなー思いながら歩いてると、ふと一本の獣道を見つけたのね。
俺せっかくだから、その獣道を行くことにしたんだ。
またそれがけっこう長い長い。すぐ行き止まりになると思ってたから、さすがにちょっと不安になってきた。
そしたら、やっと道の最後に出たんよ。
そしたら案の定、行き止まりだったのね。
俺、結局これかよと思って、引き返そうとした時に、その行き止まりの所に、人一人分入れる穴があいてたのに気付いたんよ。
それでさー何か冒険心くすぐられて、俺入ったんだよね」
「入ったのかよ…おまえ勇気あるな…」
「それでしばらく行くと、急に広い空洞に出たんだよね。そこに何があったと思う?」
「何があったの?」
「祠だよ。祠。ぶっとい綱に囲まれてた所の中心に、祠が立ってたんだよ」
「マジかよ…何か映画みたいな展開やな」
「俺も最初信じれんかったけどね。
んで俺、その祠に近づいた。
その祠には小さな引き戸がついていて、札が貼りつけてあったんよ。
俺、ここまで来たらやるしないと思って、札をはがし引き戸を開いた。
…何があったと思う?」
「…何があったの?」
「…生首だよ生首。いや、正確には頭蓋骨…その祠には頭蓋骨がまつってあったんだよ」
俺、それ聞いた瞬間、背筋に悪寒が走ったのを今でも覚えてる。
「…しかもさ、その頭蓋骨がまた少し変なんだよね。何か、少し人間の頭蓋骨と変わってるような…。
いや…まあ、見たの一瞬だったし、人間の頭蓋骨自体見た事ないから、俺の気のせいだとは思うんだけどね」
「…おまえ…それ絶対やばいって…」
「やっぱやばいよね…?
俺も見た瞬間これはやばいと思って、すぐ戸を閉めて札貼り直して、何度も謝った後、逃げるように帰ってきたんだけどさ」
「おまえ、そんなんで済むかよ!
明日学校終わったら神社行って、すぐに神主さんに事情話しておはらいしてもらえ!俺もついて行くからさ」
「おーそうするわ。ありがとうな」
結局、それで俺は話を聞き終わった後、けっこう時間がたってたので、後味悪いまま家に帰りました。
その次の日、担任から「隣のクラスのS君が亡くなった」と聞かされた。
俺は半狂乱になり担任に聞くと、担任も詳しくはわからないとの事。
俺は授業をサボりSの家へ。
するとSの家には警察がいて、中に入るのを止められたが、そこを見かけたSの母が中に通してくれた。
号泣しているSの母に思いきって聞くと、朝、Sの母がいつものようにSを起こしに行くと、ベッドの上で、Sの首から上がキレイになくなって、Sが死んでいたらしい。
俺は頭が真っ白になった。
その後鑑定した結果、その死体はSだと判断されたが、頭は結局見つからなかったそうだ。
俺とSの家族は、警察に決して口外しないように強く口止めされ、未解決事件として闇に葬られさりました。
俺はこの話を一生するつもりはありませんでした。
じゃあ何故、5年たった今俺はこの話をしたのでしょう。
実は最近、よく同じ夢を見るんです。
祠の横で、笑いながら手招きしているSを…。
Sの頭は、おそらく祠にある事でしょう。
俺は明日、地元の有名な神社の神主さんに全部話すつもりです。
以上、携帯から長文失礼しました。