動画配信者の恐怖体験

動画配信者の恐怖体験 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

どーも! シゲるんでーす!
ニ×生から移転して、今、ユー×ュ×ブで配信しています!
ツ×キ×ス、ふ×っちでも配信しているんで、宜しくね!
もし、僕の動画が面白ければ、チャンネル登録して下さいね!

…………、ってな、感じで、俺は動画配信者をやっていた。今は引退したけど。
匿名掲示板で、俺の名前は今も沢山、書き込まれているんじゃないかな……。
もちろん、アンチコメもあったし、住所特定までされかかった。
あ、もちろん、シゲるん、って名前で配信してない、今、適当に考えた配信者名だよ。
動画配信していて分かったのは、はっきり言って、本当にホラーだった。
だって、物凄い勢いで匿名掲示板に俺の名前が書き込まれていくし、一ヶ月で二千回書き込める掲示板が消費されて、次のスレッドが立っていくんだぜ?
俺って人気なんだな、って思う反面、撮っている動画の内容から、○○県の××区のどこどことか、詳しい場所まで事細かに書き込まれていった。あれが本当にホラーだろ、と。

ただ、引退した今は、あー、あんな奴もいたな、って感じで、もうそれっきり忘れ去られているよ。
結局、アンチする奴らの殆どは、俺個人じゃなくても、誰でもいいからリアルの鬱憤晴らしがしたいだけなんだろうなあって。
それに気付くと、匿名の批判や住所や職場バレの怖さじゃなくて、自分が誰からも認められていないんじゃないか?
本当は一時的に面白がってチヤホヤしたり、叩いたりしているだけで、他の代わりが幾らでもいるんじゃないのか? ってな恐怖になっていった。
分かってくれるかな?

で、今は休職中。
一応、働いていた時と、配信で手に入れた金の貯金がまだまだあるし、親からの仕送りにも頼っている。
……情けないけど。まあ、ホントにヤバくなったら、国に面倒見て貰おうかなって……。情けない……。



本題になるけどさ。

信じてくれなくてもいいけど、俺、本当に“怪奇現象”に会ったんだわ。
配信者としては、それはそれでオイシイから動画のネタになるんだけどさ……。
休職に追い込まれる程、それまでやっていた事務職を辞める程に追い詰められたし、今も怪異は続いている。
匿名掲示板では、あの配信者は何故、失踪した?みたいに色々な憶測が書かれているけど、そのコメントも減って、もう俺は完全に過去の人状態かな。

ってか、俺の事、ちゃんと調べたら出てくるんじゃないかな?
あー、こいつ、多分、配信者のあいつだな、って。

ただ、俺に起こった事は動画配信では話せなかったし、そもそも、明らかに“脅迫”されていた。

だから、俺が何の配信をしていたかは言わない。
法律に触れるような配信じゃなかったし、運営に警告されたり凍結を喰らったりするような配信なんてしていない。
炎上らしい炎上なんてのも無かった。
だから、ヤ×ザとか、その筋の人間から恨みを買うような配信では断じてなかった筈だ。
そうだ……、料理配信とかゲーム配信、って事にしておいてくれ、この文章で、俺が誰なのかを、特定されるのが嫌だから……。



で、話すよ。

最初は俺のツ×ッターのフォロワーだった。
いきなり、変なアイコンの奴がフォローしてきたんだ。

何か、暗い部屋の写真なんだよ。意味が分からなかった。
どうやら明かりが灯っているけど、何かがぼんやりと見えている。
で、どうやらロウソクの明かりみたいなんだよ、よく分かんねーな、っては思ったな。
そして、そのアイコンは俺の動画配信のチャンネル登録者の中にもいた。

まあ、最初は色々なフォロワーがいるよな、ってくらいに考えていたんだ。
明らかに猥褻なアイコンにしたり、俺を煽っているようなアイコンの奴も結構いたからさ。
そんな変なアイコンのもの、いちいち気に掛けていなかった。
何となく、怖いなあ、くらいは思ったけどさ。

ある日、俺のスマホの中に見た事も無い画像が入っていたんだ。

それは、俺のフォロワーである、例の暗い部屋の写真の奴だ。
俺はよく見えていないが、どうやら、女が縛られているんだよ。
いや、エロ的な感じじゃなくてさ。
もっと、こう口元にガムテープを貼られていて、そこら辺に食べ残しのカスとか。
画像を拡大化していくと、どうやら、女は排せ物をそのまま垂れ流しにしているみたいだった。
着ている白いワンピースの腰の辺りが黄色や茶色で湿っていてさ。
しかも、多分、この画像、アイコンの時よりも少し明るくなっている。
おかしいな、こんな画像、いつフォルダに入れたんだろう、って思った。

そして、不覚ながら、恥ずかしいけど、俺はその場でその女の姿を見て、そのままベッドの中に潜り込んで、マスを掻いてしまったんだ。
嗜虐性を刺激されたのかな。

多分、変態エロビデオのワンシーンをスクショか何かしたものを、アイコンに使っているんだろうなあ、って判断した。

でも、その後、しばらくして、俺のツイッターにDMが送られてきてさ。
画像で自慰行為しましたよね、ってだけコメントが来た。とにかく、早かったな。
気持ち悪かったのが、俺がベッドの中でマスを掻いていた時間帯とほぼ同時にメッセージが送られてきているんだよ。

その時は気持ち悪いな、って思ったんだけどさ。
何か、偶然だろ、変に粘着する奴って、俺の行動パターンまで読んでいやがるな、で終わらせたんだ。

それから、俺は二週間くらい配信を行った。
二週間で精力的に一日に二、三本は面白動画を撮って、それなりに登録者数も伸びていった。
それも普段は仕事をしながらだ。
俺って、本当に努力家だな、って万能感に満ちていたよ。

で、その二週間後くらいかな。
また、俺のスマホのフォルダの中に変な画像が入っていた。例の画像だ。
また、少しだけ明るくなっていた。

縛られている女の写真だよ。
どうやら、以前よりも、少しだけやせ細っている。
そして、髪の毛の生え際かな。注射器の痕があったんだ。女は涎を垂らしている。
そして、どうやら、女が飯を喰っている器は紙おむつみたいなんだよ。
紙おむつに、おにぎりとかグチャグチャのラーメンみたいなのが載っている。
それを犬食いさせられているみたいなんだよ。
そして、女の隣には血の付いたペンチが転がっていた。
ペンチの近くには、女のものと思われる奥歯……。

…………、俺は気付いたんだ。
どうやら、その部屋は、俺が以前、住んでいたアパートの部屋の中だって事に……。

怪奇現象なのだろうか?
いや、俺のスマホにハッキングしている奴が、俺に悪質な拷問画像を送り付けているのだろうか? ……何も分からない。
それでも、俺は悪質なアンチの悪戯だと思って、面白動画なんかをシコシコ作って、エロ話も交えて、配信者を続けていた。

それから、一週間近く経過したと思う。

俺のスマホの中に、いつの間にか、あの写真が混ざっていた。

女の写真だ。

落ち武者みたいな髪型で、頭の真ん中を剃られていて、歯を剥き出しにしていたよ。
前歯が全部、無かった。
ペンチが転がっていて、女の前歯らしきものが転がっていた。

女は胸と腹を露出させていて、エロいっていうか、俺は戦慄した。

女の露出した胸から腹部にかけて「×××、配信を辞めなければ、お前を殺しにいく。住所は×××だろ」って、俺の本名と住所のタトゥーが彫られていたからだ。

女の眼は完全にイッていて、ドラッグか何かで完全に壊れている眼をしていた。
俺はそれを見て、完全に発狂して、すぐに自分のツ×ッターのアカウント、登録しているサイトのアカウントを消して回った。
そして、俺は交番に駆け込んだ。その日は仕事だったが、休む事になった。

その後も、執拗に、執拗に、女を拷問していく過程の画像が送られて、もうここで言えないくらいとても酷い画像が送られてきたんだけど、二度と配信するなよ、ネットに二度と上がるなよ、といった警告のメッセージだった。
俺は完全にノイローゼになって、会社を辞めて、外に出られるような状態じゃなくなった。
そして、家の中に監視カメラが無いか、探した。
警察はマトモに対応してくれなかった。……どうせ、合成写真か何かの類だろ?みたいに片付けられた。

怪奇現象じゃなくて、人間の怖い話なのかもしれない。
でも、誰が、一体、何の目的でこんなに悪意に満ちた画像を送ってきているのか分からない。
そして、配信を辞めた今でも、警告の為に、月に一、二回くらいの頻度で送られてくる。

ここで詳しくは書けないが、ちなみに拷問されていた女だけど、……俺のチャンネルに登録していたファンの女の子だった。
後から知ったんだけど、熱狂的なファン、みたいな。

今、送られてくる画像は、別の女の人だ。
そして、もう書くのも嫌になるくらい、凄惨な写真がいつの間にかスマホの中に入っている。
スマホを変えても、電話番号、アドレスを変えても変えても、いつの間にかメールやラインやらを通さずに画像が入っている。

俺はこれが異常な人間の仕業なのか、正体不明の化け物の仕業なのか分からない。

ただ、俺は鬱病とノイローゼを発症してしまって、毎日、いっそ自分が死ねばいいんじゃないのか?と、首吊り自殺をする事を考えて、縄と台を部屋の中に用意している。…………。

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