なあ、お前? ロリコンか?
幼女とかって好きか?
日本人の多くはロリコンらしいから、俺は驚かないぜ。
仕事で無修正の児童ポルノを観た事だってある。
ありゃ、ハマってクセになりそうだったから、すぐに処分したけどな。
日本でさあ、児童売春が行われているって知っているか?
東南アジアとかで児童売春の話はよく聞くと思うんだ。
でも、今、言ったようにさ。
日本にだって、数は外国程、多くはないが児童売春組織は出回っているよ。
個人でフリーの売春婦をやっている10歳以下の少女だっている。
それは繁華街の裏側だったり、BARやクラブの中だったりして、違法薬物を売りさばくみたいに、児童を買うビジネスと出会う事が出来る。
12歳くらいの女と、生で性行為だって出来るみたいだぜ。
フリーでやっている奴だと、自宅のマンションに男を連れ込んだりするんだ。
デリバリー・ヘルスみたいに、買う奴の家に行ったりしてな。
それで金を受け取るんだ。
男のブツをくわえたり、性器を入れさせてくれたり、尻の穴だって使わせてくれる奴もいる。
女子中高生でも多いらしいんだが、小学生か、幼稚園児くらいのガキがやっているってのが、ロリコン野郎の性欲をムチャクチャそそるらしいんだよなあ。
そういえば、児童売春クラブの摘発が、一時期、TVにも報道されたの知っているか?
その児童売春クラブが摘発された時、首謀者と見られる男性は警察に捕まる直前に自殺しちまったそうだ。
その事件、なんと報道規制が敷かれたそうなんだよ。
顧客の名簿を見て、警察が捜査を打ち切ったんだとよ。
一体、児童を買った顧客はどんな職業だったんだろうなあ。
大物政治家? 大企業の偉い人? もしかすると、警察の上層部の人間だったのかもな。
ちなみに、その事件を調べていたフリー・ライターの一人がさあ、東京湾で水死体で見つかったらしいぜ。
世の中、怖ぇよなあ。
ちなみにさあ。
俺は昔、探偵業なるものをやっていた。
知っている奴も多いと思うけど、探偵って言っても、推理小説みたいに殺人事件を解決をするとかじゃなくて、夫の浮気調査だったりなんだけどなあ。
あんまり稼げなかったもので、すぐに事務所を畳んで転職したね。
今は不動産会社に勤めている。
探偵業やっている時に、ヤクザや大陸から来たコリアン・マフィアなんかと飲んだ事だってあるぜ。
さてと。
そろそろ、探偵業やっていた時に入手した、俺の話をしようと思うんだ。
そのガキに、俺は気まぐれで飯奢ったんだ。
それからが、そのガキと俺の付き合いだったな。
俺が出会った少女は小学生だったな。とあるイメクラBARの裏側だった。
その少女は、小学生なのに、シャブに手を出していた。
両親がクズだったんだな。
話聞くとさ、父親がギャンブル依存症でパチンコ、競馬、競輪通い。
負けたら腹いせに酒浸りになる。借金は数百万はあるだとか。
母親の方は風俗嬢で父親のいない間に、浮気相手の男を家に連れ込んでガキの前でヤッていたらしいぜ。
食事はドッグ・フードとか与えていたらしい。浮気相手の男の趣味だってよ。
で、そんなどうしようもない両親が、その小学生の少女に売春をさせていたんだ。
何か仕事のネタになるかもしれないって言い聞かせて、俺、その少女を“買った”んだ。
ホテル代はこっち持ち。それに加えて、三万、そのガキに払った。
それにしても、ヤケにませたガキだったねえ。
頭もそこらの中高生より世の中知ってます、みたいなデキだったよ。
普通、児童とラブホテルなんて行ったら通報されかねないだろ?
だけど、そのガキってムチャクチャ、化粧が上手いんだよ。
しかも、気付いても、見て見ぬフリするラブホの場所、何故か知っているの。
入る際にさ、紙で年齢確認されるんだけど、その少女16歳って書くわけ。
そしたら、ホテルの受付係がOKを出してくれた。
で、いざお互いにシャワーを浴びて裸になるわけよ。
俺はそのガキの性器の辺り見て、文字通り腰を抜かしたね。
たっぷり10分、15分くらいは立てなかったんじゃないかなあ。
ガキの性器の周辺に刺青が入れられているんだよ。
デザインは…………、でっかい蝶だったな。翅の模様が人間の眼に見える奴。
その上に“私は誰でも入れる公衆トイレです”って日本語で文字が彫られているの。
それでな、問題の性器の方には、太いピアスが何本も通されていた。
そしてな、俺は腰を抜かしながらも、そいつの尻も見てみたんだよ。
すると、肛門の辺りが酷く赤黒く、紫色にもなっていて……煙草を押し付けた焼け痕ばかりだった。
俺は興奮を通り越して……、完全に言葉を失っていた。
だって、小学生くらいのガキだぜ?
下手すれば、当時、9歳だった、俺の娘くらいの年齢だ。
多分、俺も禁断の果実を試してみたいっていう不純な欲望が渦巻いていたんだな。
探偵業の仕事に何か役立つかもしれないって理由を理由で、子供とヤッてみたかったんだ。
だけど、俺はとても後悔したんだよ。
「お前、お尻、どうしたんだよ?」
「うんとね、お父さんが挿れてくるの。焼けた煙草を。あたし、お尻の中に七本は入るよ」
少女は哀しそうな顔をしていたな。
「その下の刺青、どうした……?」
「お母さんが“彫り師さん”っていう人の処で入れさせられた。
このジャラジャラはね、お母さんが付けてくれたんだよ。
爪楊枝であたしのおしっこする処を刺していったの。画鋲とかホッチギスも使われたよ」
少女は屈託のない笑顔だったが、その瞳の奥底には深い絶望をたたえていた。
きっと、哀しい顔をする度に、殴られたりしてきたのだろう。
少女の全身には……火傷の痕や鈍器で殴られたような痣が沢山あったんだ。
それから、シャブの注射の痕は、腕の脇の方にあったなあ、紫色の斑点になっていた。
学校に行った時に教師に見つからないようにする為なのかねえ。
でも、体育の授業とかどうするんだろうなあ。
もしかしたら、その子、学校に行かせて貰えなかったのかもしれねぇな。
俺の下半身は完全に萎えてしまって、その後、少女に服を着せて再び飯を奢ってやったね。
それから、別料金と言って、少女に二万余計に渡して、これで美味い飯でも食え、両親にこの金はバレるんじゃねぇぞ、って言ってやった。
それからも、ちょくちょく、その子と会って、飯奢ってやっていたんだ。
最初に出会ってホテルに一緒に行ってから、四か月くらい経った頃だったかなあ。
その子の母親が亡くなった、自殺だってさ。
何でも、首を吊ったんだと。
自宅からすぐ近くの工場で首を括っていたんだってさ。
直接の死因は首吊りだったんだけど、身体中に殴打とガラスの破片を突き刺された痕があったらしい。
片目は殴り潰されたんだとよ。
少女いわく、此処、一ヶ月くらい母親が新しく家に連れてきていた男が、とても怖い人で身体中に刺青が入っていたんだってさ。
で、その男も今、行方不明らしい。
こっからは俺の想像だけど、多分、今回のその子の母親の浮気相手の男は、ヤクザの下っ端か何かで、親分の金を盗んだとか、組のヤクを勝手に売りさばいたとか、親分の女に手を出したとかで、制裁を加えられちまったんだな。
それで、その子の母親もとばっちりで処刑されたんじゃねぇのかなあ。
父親は半狂乱になって警察に訴えていたが、警察は取り合ってくれなかった。
それ処か、警察は児童虐待の疑いで父親の方も捜査するかどうか恫喝していたらしい。
……なんで、警察は明らかに他殺だと分かる死体の捜査をやめちまったのかねえ。
もしかすると、警察の方、金で買収されていたのかもねえ。
そして、俺はもう一切、その少女と関わるのを止めにしたんだ。
児童相談所に連絡すれば良かったのに…………、つまり、見捨てたんだな。
それで、俺とその少女の話は終わりだ。
今、連絡は取れないなあ。あれから、数年前の話だよ。
ただ、風の噂によると、その少女……まだ繁華街の裏側とかで、身体を売っているって話を耳にした事がある。
今では面影が無くて、ガリガリで顔中に薬物の症状の痕が浮き上がっているんだと。
顔中ピアスだらけで、それから右耳が無いんだとよ。
……何があったんだろうなあ、知りたくもねえよ。
それから、性病で先が長くないだろう、って話も聞かされたな。
時折、その少女……、薬物の禁断症状で、月を見ながら笑っているんだと。
お月さまが呼び掛けてくる、あたしの身体の中に入ってくる。
お月さまが迎えに来る、もうすぐ来るってさ。かぐや姫みたいだな。
で、俺の名前を呼んでいるらしいんだよ。
その後、犬のように這いつくばって、くるくる回り始めるんだと。
うぉーん、うぉーん、って、俺の名前を呼んでいるらしいんだよ。
俺に助けを求めているのかなあ? 分からねぇよ。
でも、俺は噂を耳にするだけで、頑張って繁華街中を探したけど、その少女に二度と会えていない。
……もしかしたら、もう生きていないのかもな……。
そういえば、俺はその少女の本名を知らない……、偽名で名乗ってきたからな。
……いや、少女の母親が殺された時に、知っている筈なんだけど。どうしても、思い出せないんだ。
俺は、少女の母親が殺された、あの事件を深く調べようとも思わない。
きっと、俺の中で彼女を見捨てた時、何かが死んでしまったんだと思う。
たまに夢の中で、可愛らしく元気に成長したその子と、15になる俺の娘が仲良くカラオケとかに行ったりして遊んでいる姿が現れるんだ。
あの子、……俺の娘と同じくらいの年齢だったもんなあ……。
きっと、同世代の友達もいなかっただろうにな…………。