ビー玉と男の子

ビー玉と男の子 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

今からもう10年以上の話。
当時小学生だった私は、近所の駄菓子屋でラムネを買って飲みながら帰っていた。
すると、路地の向こうから小学2年生くらいの男の子が走ってきた
その時「なんか見たことあるなー友達の弟かな?」と思ったのを覚えている。
その男の子は、私の所へトトト・・・と寄ってきて「お姉ちゃんダメだよ、早くしないと雨が降ってくるよ」と言った。

ハッとして上を見ても、絶対に降らなさそうな感じ。
でも、その子は私の服の袖をグイグイ引っ張る。
まあ弟よりも小さいような子を邪険に扱うわけにはいかないなあと思い、近くの家の車庫に一緒に避難することに。

その瞬間ポツポツポツ・・・と雨が。

狐の嫁入り(?)というやつか、晴れ雨が降ってきた。
はあーすげーと素直に感心し男の子に「すごいねえーよくわかったねー」と言った。
男の子はにっこりと微笑む。

雨は暫く続いた。
私たちは適当な話をしながらすごした。
ふと男の子に目をやると、男の子はラムネの中のビー玉に興味があるようだった。
ビー玉で遊ぶような年でもなかったのでその子にビー玉をあげることに。

そうこうしてるうちにいつの間にか雨はやんでいた。
おーやんだやんだと思い、男の子に行こうかと促そうと横に目をやるとどこにもいない、男の子が。
ついさっきまでいたのに忽然と消えてしまった。
先に行ってしまったのか・・・
まあいいか、と気を取り直し帰路についた。

家の近くまで来た時、黒い服を着た大人がたくさん出入りする家の前を通った(多分法事)。
その瞬間頭の中にサァーッとさっきの男の子の顔が蘇ってきた。

そうだ、あの子・・・

小さい頃よく遊んだ・・・

三年前に交通事故で・・・

忘れてた・・・

子供心にガクブルとなった私は、出来るだけその家を見ないようにそろそろと歩いた。
見たら何か、見てはいけないようなものを見てしまうような気がして。
でも見てしまった。
というか視界に入ってしまった。

ビー玉が、玄関の前に落ちているのを・・・

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