「ニューヨークの大停電の日、地方から出張で来た会社員2名が60階建てのホテルに宿泊。
うまく商談がまとまり、ホテルの1階にあるレストランで食事をしながら祝杯をあげていた所で停電レストランの責任者は『大変申し訳ありませんが、レストランはクローズとさせていただきます。
本日のお食事代は要りません』と便宜を図りました。
部屋は58階で、停電でエレベーターが動かないので、2人は階段で戻らなければならない。Aはこう提案しました。
『このまま58階まで上がるのはつまらないので、1階上がるごとに怖い話をしようよ』
Bは承諾しました。
1階から2階に上がりながらAが怪談をしました。とても怖い話でした。
2階から3階に上がりながらBが怪談をしました。とても怖い話でした。
とうとう57階まで来ました。BがAに言いました。
『ようやく最後だね。ボクはもう怖い話がつきてしまったけど、Aはまだ怖い話を知ってるの?』
『うん、さっき気が付いたんだけど、とても怖いことを思い出した…』
『でも、最後だからもういいよ、Aよその怖い話をしてごらん。もう58階に着くよ…』
『すごく怖い話だけど良いのか?』
『ああ、構わないよ。どんな怖い話でも大丈夫だよ』
真っ暗な中で2人は声を潜めて話しています。とうとうAが最後の怖い話をしました。
『フロントでカギをもらってくるのを忘れた』