友人から聞いた話です。
中学時代、Aというゲーム好きな友人がいて、彼は成績は優秀だったが、TVゲームをやる時間がハンパなかったらしい。
なんでも、休みの日は父親が家にいないので、この日はゴールデンタイムとばかり部屋にこもって 24時間ゲームをしているらしいのだ。
トイレは?ペットボトルで済ませるらしい。食事もあらかじめ母親が買ってきたものを食べながらゲームをする有り様。
新しく出たゲームは古くなる前に、話題にならなくなる前にクリアしてしまいたいのだとか。
そんなAにある日異変が起きた。なんでも、自分の周囲にTVゲームの敵キャラクターの幻覚が見え始めたというのだ。
触ってみても感触が無く、他人には見えてないことから、自分で幻覚と気付いたらしかった。
ただ、実害のある幻覚で、敵キャラに攻撃されているらしい。外面には表れないが、内面では包丁でえぐるような痛みをともなうらしい。
彼はよく体調が悪くなると「ごめん、“セーブ”してくる」、と言って病院に行っているそうだった。
最近では休日になるのが怖いらしく、それでも休日だけは廃人並みにゲームをやっているそうだ。
TVを見て、犯罪が起こると『イチメンクリア…』とつぶやく自分に驚き、鏡で目を見ると笑った別人の顔が写るようになったという……。