524 :本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 18:34:38 ID:sbFHlUEB0
友達Hの実体験の話ね。
Hとその友達が、肝試しである廃病院にいったそうです。
普通に行って帰ってきたんじゃーそこらへんの奴と一緒じゃないかってことで、
二人ペアになって病院の中を探索し、なんか証拠になるようなものを持って帰ってくる。
っていうルールを作って入ったらしいです。
怖い体験も特に誰もせず、幽霊の話よりも、戦利品の見せ合いに夢中になっていたそうです。
注射器を持ってきた人、医療品の入っていた袋など、
いろいろ病院っぽいものを、みんな持って帰ってきたそうです。
Hはというと、デスクの上に置いてあった誰かのレントゲン写真を、持って帰ってきたそうです。
525 :本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 18:36:09 ID:sbFHlUEB0
Hの戦利品が一番リアルだって話になって、誰かを怖がらせようぜって話になったらしいです。
ターゲットは、その日たまたまバイトで一緒に来なかったN君。
普段からHは、その人のアパートに毎日のように出入りしてたので、Hが実行人としてN君宅に翌日出向きました。
N君がラーメンを作ってくれてる間に、もってきたレントゲン写真を、こっそりN君の机の引き出しに入れたそうです。
そのあと怪しまれないように、他の肝試しに行った面子も、偶然を装いN君の家に集まってきました。
いつこいつがびっくりするのか見てやろう!って感じで、
N君のアパートでいつものようにを装って、わいわいやってたそうです。
そうするとすっかり盛り上がってしまい、誰しもがレントゲンのことを忘れていたそうです。
そうこうするうちに、N君のケータイにメッセージが入ったそうです。
メールは高校のときの同級生の女の子で、『今から合コンしないか?』との誘いでした。
野郎ばっかりでむさくるしいのもあれなので、テンション任せに全員で即効合コンに出向いたそうです。
カラオケボックスで合コン開始。
割とかわいい子たちと、仲のよい同級生の女の子に出会い、一行は酒を浴びるように飲んだそうです。
みんなで盛り上がっていって、ふとソファーの横を見ると、誰のかはわからないけど大荷物があったそうです。
まあいいやと気にもとめずに盛り上がり続け、合コン終了。
Hは家に帰るのがだるかったので、そこから近かったN君宅に泊めてもらうことに。
んで、女の子たちの番号をゲットして、さー帰宅!ってなったときに、一人の女の子が近づいてきたらしいです。
「ごめーん、あたし今さー、家出してていくとこないんだけど、しばらく泊めてくんない?」って。
N君は、
「仲良くなったばっかで、そっちが別に俺たちに対して不安とかないなら、こっちはぜんぜんかまわないけど」
と、快く承知。
ソファーにあった大荷物は、その子の物だったようです。
528 :本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 18:40:50 ID:sbFHlUEB0
3人でN君の家について、お酒と疲労のせいで3人は、コタツで一気に爆睡したそうです。
次の日、3人が目を覚まして、「そういえばAちゃん(家出少女)のケータイ聞いてないね」なんていいながら、
3人でメアド交換したそうです。
Hはメモリを全部フルネームで入れる奴なので、Aちゃんのフルネームを登録した後、
なんか聞いたことある名前だなあ。あ、新人のグラビアに、そういやそんななまえあったような・・・
と、思っていたそうです。
そのあと、またN君のケータイに合コンの誘いが。
今夜も3人で行こうかってなったんだけど、「Aちゃんは気分が優れないから」と、断ったそう。
N君とHの二人は、「Aちゃんになんかあったら連絡してねーっ」つって、合コンに行ったらしいです。
二人がまた深夜に帰宅すると、Aちゃんは当然ぐっすり眠っていたそうです。んで、二人もまた昨日同様爆睡。
次の日、N君はバイトでした。Hは家に帰ることになり、またAちゃんだけがN君の家にいることに。
529 :本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 18:42:34 ID:sbFHlUEB0
N君はAちゃんをきづかって、Aちゃんの好きなラーメン買ってきたり、お酒買ってきたりと、
一人でも大丈夫なように奮闘したそうです。
N君が夜遅く帰宅すると、いつものようにAちゃんは寝ていたり、Hが友達連れてきてAちゃんも一緒にいたり・・・
そんな生活が一週間たって、また週末がやってきました。
Hは「そういえばAちゃんはまだいるのかなー今週も合コンあんのかな」とか思って、N君ちに行ったらしいです。
N君は留守。Aちゃんはその場にはいなくて、荷物もなかったため、
あー、Aちゃん家帰ったんだーと思いながら、N君が帰ってくんのを待ってたそうな。
すると、また肝試しに一緒に行った友人たちがN君のところにやってきて、
主のいない宴会を勝手にいつものごとくはじめてたそうです。
ところが、N君が待てど暮らせど帰ってこないそうです。
バイト中のためか、ケータイもつながりません。
530 :本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 18:45:24 ID:sbFHlUEB0
そして、誰からともなく肝試しの話になり、
またしばらくの間、時間をおしゃべりでつぶしていたところ、N君帰宅。
N君は帰ってくるやいなや、「あれ?Aちゃんいないの?」といったそうです。
「俺たちが来たときにはもういなかったよん」っていうと、
「あれー?俺バイト行く前までいたんだけどなー?」
ちょっとの外出にしちゃーあの大荷物がきれいにありません。
メールも入ってないし、置手紙もない。どうやら様子が変です。
心配になって、合コンに誘ってきた同級生の女の子に、
「Aちゃんって家に帰ったの?」って聞いてみたそうです。
したらその女の子は、『は?Aちゃんて誰よ?』っていうそうです。
「合コンにいたAちゃんだよ!俺んちについてきた子いるじゃん大荷物もって!」
N君は必死です。N君は電話をHに渡し、Hも必死に説明しました。
そのとき、N君がキッチンから、みんなのほうに向かってこういったのです。
「おい。あの子この一週間、なにも食ってねーぞ・・・」
外食ばっかのN君は今まで気づきませんでしたが、N君がAちゃんに買ってきた食糧はすべてそのまま。
ジュースの缶すらあいていません。ごみすらないのです。
531 :本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 18:45:58 ID:sbFHlUEB0
一同静まり返ります。
そして誰からともなく、こんな声があがりました。
「そういえば俺、あの子がトイレに立つとこみてねーよ」
「そういえばあの子、ぜんぜん酒のめなかったよな。ていうか、飲んでるとこみてねーよ!」
「やめろよボケが!んな人間いるわけねーだろ!俺らが酔ってて気づいてねーだけなんだよ!」
Hは必死に、まだAちゃんのことを説明していましたが、
その同級生は、『そんな友達いないし、そんな大荷物もった子なんて見かけてもない』と言い張るんだそうです。
気持ち悪くなって、いったん電話を切り、Aちゃんにかけてみたそうです。
『お客さまのおかけになった電話番号は、現在つかわれておりません・・・』
一同あせりまくったそうです。
メールしても送れない。何回誰の電話からかけても、つながらないのです。 昨日までつながってたAちゃんの電話が。
そのとき、Hは思い出してしまったのです。身の毛もよだつ事実を。
532 :本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 18:46:59 ID:sbFHlUEB0
「おいN。お前、引き出しのなか見たか?!!」
「は?なんだよ。見てねーよ。なにいってんだお前、こんなときに?」
「俺ら、お前のこと脅かそうと思って、合コン行く前に、お前の机に入れたんだよ!
廃病院で取ってきたレントゲン写真!」
「んなもん見てねーよ!気味悪いもん持ってくんじゃねーよボケが!」
「これだよこれ!」
Hが引き出しを開けたとこには、レントゲン写真はもうありませんでした。
部屋のどこを探しても見当たりません。
レントゲン写真は、Aちゃんとともに消えてしまったのです。
Hが思い出した事実とは、
Aちゃんの名前が、レントゲン写真の右下に書いてあった、患者さんの名前と一緒だったってこと。
男の子全員にAちゃんは見えていたし、話もしたのに、
合コンに来ていた女の子たちは口をそろえて、「そんな子はじめからいなかった」といい張るらしいのです。
レントゲン写真の名前の横には、『87歳』と表記されていたそうです。
一週間一緒にすごした同姓同名の女が、レントゲンとともに消える。
「自分たちと同年代に化けて、怖がらせないようにしてくれたのだろう」とHらは話していた。
その後廃病院へ行き、全員でごめんなさいを言ったそうです。