死守り(しもり)

柔道五段、がっしりした体格で、土と汗のにおいのするでかい背中。 日に焼けた顔。 俺がろくでもないことをする度にぶっ飛ばされた、荒れた手。 素直じゃなくて憎まれ口ばっかり叩いてた俺は、それでも...

影ボウズ

俺の地元にある小さな港の話(広島)。 そこは、短い防波堤が1つあるだけの小さな港である。 わざわざ遠くから釣りに来るような人はいない、有名ではない釣り場だ。 そんな、地元の人間しか訪れないよ...

2人の少女

俺が19歳の頃の話です。 高校は卒業していましたが、これといって定職にもつかず、 気が向いたら日雇いのバイトなどをして、ブラブラしていました。 その頃の遊び仲間は、高校の時の友人グループがいくつ...

資料館の手紙

ちょっと専門用語が多いので分りにくいかもしれない。 高校卒業後すぐに自衛隊に入隊した俺だったんだが。 7月の後期教育のある日、駐屯地にある小さい資料館の掃除ってのがあったんだ。 班長の説明ではこ...

『返りの風』人を呪わば穴二つ

旦那と知り合った時、旦那には3年ほど付き合った彼女がいた。 結婚願望バリバリで、当時短大卒を目の前にして結婚して専業主婦になりたい彼女に、旦那はまだ就職1年目で、経済的にも精神的にも結婚なんて無理と...

エレベーターの上に

学生時代の友人を訊ねて部屋に泊まらせてもらった時の話。 俺は霊感とか全然無くて、霊とかそういうの何も見えないんだけど、そいつは霊感ある奴で霊も結構見えるって言ってた。 俺はオカルト話自体は好きだか...

病室の友達

僕が子供の頃に病院に入院していた時に出会った、不思議な友人の話をしますね。 あ、“僕”って一人称だけど、女です。 漫画やアニメとか好きなんで、いるじゃないですか、一人称が僕とか俺とかの女の子の...

赤継沼

私はバイクが趣味でよく暇が出来れば直ぐにでも何処かへ旅立ってしまう。 今回も東北方面へバイクで走っている時の事だった。 ちょうど夕方になり雲行きも怪しく徐々に暗くなり始めたので近くでテントを張...

床下から

かれこれ十年ちょい前の話です。 横浜にあった内装工事屋で見習工みたいな感じの仕事をしてた時の話です。 都内のあるマンションの洋間の改修工事の依頼が来ました。 築年数はその当時で10年前後...

死神に狙われた男

姉の体験談 近所の神社が祭りのために臨時で巫女のバイトを募集していた。 姉はそれに応募して、見事採用された。 主な仕事は祭りの時期の接客であったが、祭りのあとも土日だけ働けるようになった。 ...

おーい

これは大学生の頃、友人達と海へ遊びに行った時の話です。 尚、以下に出てくる人名は全て仮名です。 その日、僕は友人である田中と佐藤の男3人で、海へと遊びに来ていました。 具体的に何処へ行こうと...