小学校の頃、私のクラスは3人の女の子がイジメっ子で、小学生にしていっぱしの恐るべきズベタだった。
5年生の時同じクラスに転校してきた女の子がターゲットにされて、卒業までずっと苦しめられていた。
その子は時々イジメっ子連中の目を盗んで、ハガキくらいの大きさの紙に何かよくわからん物を書いていた。
草書体の漢字のようだったが、龍の絵のようにも見えて、ちょっと何を表しているのかわからないものだった。
当時は「大人みたいな字を書いててすごいな~」と単純に感心していた。
卒業間近い頃、その子と二人で図書室の掃除をやらされて、そのとき初めてその子と長い時間話をしたのだが、「守ってくれてる霊」とか「背後霊」とか「罰を与える神様」とか、やたらオカルトな知識が豊富なので驚いた。
最後に、クラスの3人のイジメっ子たちについて、
「あの人たちは呪われた赤ちゃんを産むことになるからもういいの」
と言ったが、何のことかわからず、
「もういいって、もう恨んでないってこと?」
としか聞けなかったのだが、
「そうなの。手足や頭のない赤ちゃんとか、内臓のない透き通った赤ちゃんとか」
と真面目に言うので驚いて聞くと、
「お母さんに教わったおまじないをずっと書いていたの」
と言った。
その時はおまじないが実現するとは信じていなかったので、ただイジメのことを同情しただけだったが、ずっと後になって、その3人が結婚して子供を産んだと言う話を友人に聞かされたら、なんと3人ともダウン症の子供を産んだと聞いて、おまじない(?)のことを思い出しぞっとした。
ダウン症は高齢出産に多いそうだが、3人とも20代前半に産んでいるし、身内に障害児を産んだ人もいないという。
そのうちの一人は、もうそれ以後子供を作らなかったそうだが、二人は第2子を作ったが、なんと二人とも第2子もダウン症だったと聞いてこわくなった。
そのうちの一人は3人目を生み、その子はさいわい健常児だったそうだが。
まあ強引にこじつければ理屈がないわけではないが、おまじないが実現したと思えてならない。