Yさん…助けて…

Yさん…助けて…

2年ほど前に私の彼氏とその友人が体験した話。実話です。
2年前のことで、しかも聞いた話なので曖昧な箇所があることを許してください。

深夜、友人Yさんから彼氏(K)に電話がかかってきた。
何でも、Yさんの携帯に知らない女性から

「Yさん…助けて…Yさん…助けて…」

と電話が来たのだという。
(番号が表示されていたかどうかはわかりません)
Yさんがどこにいるのかと聞くと、その女性は某所の公衆トイレにいるらしい。

イタズラかもしれないと思ったが、本当に何かあってはいけないのでYさんはそこへ行くことにした。
そこで、一人では怖いのでKに同行を願ったのだ。

2人は車でそのトイレへ向かった。
到着して、電話の声は女性だったので、とりあえず女子トイレの方を覗いてみた。
トイレは個室が(多分)3つあって、入り口と向かって反対側に窓があるという感じ。

Yさんが「Yですけどぉ…?助けに来ましたぁ…」と呼びかけてみた。
が、返事はない。個室も全て開いている。何だ、やっぱり誰もいないのかと、2人はトイレを出た。
すると、トイレの中から、キィ…バタン と音がした。
2人が?と思って中に入ってみると、一番奥の個室が閉まっている。
誰か入ってる…?2人はその個室の前に行き、ノックしてみた。
すると、コンコン、とノックが返ってきた。2人は誰かいるんだと思い、「Yです、助けに来ました…」と言った。
けれど返事はなかった。
もう一度ノックをしてみると、ノックは返ってくる。

2人は不審に思いながらもう一度外に出た。
するとまた、バタンとドアの閉まる音が聞こえた。
2人は、??という感じでまた中に入ってみると、今度は2番目の個室が閉まっていた。
(奥の個室も閉まったまま。つまり2つの個室が閉まっている)。
今度はその2番目のドアをノックしてみた。
すると、ノックが返ってきた。
「誰かいるの?」呼んでみたけど返事はない。
そこで、ちょっと失礼して上から覗いてみることにした。

よじ登って個室の中を見ると………誰もいなかった。
どちらの個室にも。
確かにノックが返ってきたし、鍵もちゃんとかかっていた。

2人は少し怖くなってまた外に出た。
どういうことだろう??となっているところに、自転車の男子高校生が1人通りがかった。
「何してるの?」とその男の子が話しかけてきたので、幽霊がいるかも、と話してみた。
興味を持ったその男の子も参加(?)し、もう一度トイレに入った。
2つの個室は閉まったまま。
そこでさっきのことを繰り返してみた(ノック&ノック、上から覗く。やはり誰もいない)。

3人は外に出た。「本当だw」と男の子。
男の子は友達を呼ぶと言って誰かに電話していた。
そうこうしているうち、またトイレからバタンという音が聞こえた。

3人が中に入ってみると、2番目のドアが開いていた。
??と思って、またドアをノックしようとした。
Kだけが個室に近寄り、Yさんと男の子の2人は入り口付近で見ていた。

と、Kがふと2人の方を見ると、何か様子がおかしかった。

「…お……おい……」

等と言いながら、Yさんたちが真っ青な顔で…窓の方を見ている。
Kも窓の方を見てみた。

信じられない光景があった。血を流した女が窓からトイレの中を覗いている。
3人はびっくりしてトイレから出た。

そんな時、男の子の友達(女の子が2人)がやってきた。
(さっきまでのことを女の子2人に話したかどうかはわかりませんが)5人でトイレに入った。
奥の個室は閉まったまま。
そしてまたKがその個室をノックし(ノックが返ってきたかどうかはわかりません)窓の方を見てみると……
いる!女が窓からこっちを見ている。
(見えている部分は多分肩から上ぐらい)

女の子は悲鳴を上げ、5人はトイレから飛び出た。
5人は相当ガクブルだった。
色々と言っているうちに、あの窓を閉めたらどうなるのだろう?と
言い始めた。

そこでジャンケンをして、負けた人があの窓を閉める、ということになった。
ジャンケンの結果、女の子のうちの一人が負けてしまった。

再びトイレに突入。依然奥の個室は閉まったまま。ノックをする。
窓を見る……いる!!

女の子は急いで窓に手をかけて閉めようとした。
とその瞬間、なんとその女の手が、バッと女の子の手を掴んだ。
女の子はもう泣いている。それでも必死に窓を閉めきった。
女の手も消えてしまったように見えた。

掴まれた女の子の手には血がべったりついていた。
女の子は泣きながらそれを洗い流した。

その後5人は解散したそうです。
文章にしてみるとあまり良く伝わりませんが、私はこの話を聞いたとき、本当にこんなことが、しかも身近にあるのかと驚愕と恐怖でした。

私は誰かのイタズラで、怖がらせようとして窓から覗いてたんじゃないの?と言いました。
でもそのトイレの窓側は絶壁で、人が立てるようなところではないと言っていました。
上から吊ってたとか?というのも無理らしいです。

何より、その女の生を感じられない顔、髪型や服装などが、絶対に現代に生きている者ではない、とKは力説していました。

女の子の手に付いた血も見間違いじゃない?と言いましたが、確かに水に流れていく赤い血を見たそうです。

その女が窓から覗いているのに気づく前は、女はいたのでしょうか?

Yさんへの電話もその女からなのかも謎です。
そもそも何故Yさん指名?

女の子は窓を閉めるときに見た(目が合った)女の顔が忘れられないとその時言っていたそうです。

乱文失礼しました。

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