ハンバーガー

ハンバーガー 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

大学サボッて家でゲームしてたら、友達(Y)からメールが来た。

「やべぇよ!すげぇの見た!!この興奮をおまえにも分けてあげたい!」
とかこんな文面だった。

どーでもよかったけど、とりあえず「何があったの?」って返信したら
「会って直接話したい。電話やメールじゃだめだ」
みたいな返事が来たので、暇だったし会うことにした。
場所はYが「腹減った。マック食いたい」と言ったのでマック。

で、俺のほうが先にマックに着いて、Yを待つことにした。
しばらくするとYが来たけど、何故か顔面蒼白。
しかも、人が食ってるチーズバーガー見て
「そういうことか…」
と呟いて座りもしない。

何だか様子がおかしいので、落ち着いて話を聞こうと思って
「とりあえず、何か頼んでくれば?」
と言ったら、突然
「ハンバーガーなんて食えるわけねーだろぉが!!!!!」
とYブチ切れ。

てめーが食いてーって言ったんだろうが!!!
とキレそうになったけど、そこは抑えて
「何があったんだよ」
と冷静に聞いてみると、今度は
「俺が悪かったんだよな。もうヤバい。ヤバいんだよ。」
と半泣き。

なので
「俺とメールした後、何かあったのか?」
と聞くが、無言。
こっちも何も言わずに黙っていたら、そのうちポツリポツリとYが話始めた。

Yは大学に向かおうと電車を待っていたんだけど、そこで人身事故に遭遇したらしい。
スーツを着た中年の男がフラフラと線路の方に歩いていって、Yが「おかしいな」と思った瞬間、電車に飛び込んだらしい。

電車は男を文字通り「巻き込ん」で、あたりにはおかしな色の塊が飛び散ったり、女子大生らしい子が発狂したり自動販売機の上に何故か男の靴が片方載っていたりと、まさにカオス。
その状況下でYは俺に、この「興奮を」メールをしてきたというわけだった。

なのでYは、事故にショックを受けるというより完全に楽しんでいたらしい。
そして、Yは俺にメールを送りながら野次馬をし、その後トイレに行こうと昇りのエスカレーターに乗った。

他の客もみんな興奮していて、
「死ななくてもねぇ」
とか
「すごかったねぇ…」
なんて勝手なこと言ってるなか、Yはおかしなものを見たらしい。

Y「エスカレーターの手を乗せるベルトあるだろ?
その左横に、70センチくらいのスペースがずっと続いてるんだけど、上の方に、体育座りしてる奴がいるんだよ。
始めはキ○ガイが何やってんだ、と思ったんだけど。」

Y「誰もそいつに気づいてないっぽいんだよ。おかしいだろ?
あんなとこに座ってたら普通、みんな気付くだろ?
で、マジマジ見てたらそいつ、片方靴履いてないんだよ。
それで、「さっき死んだおっさんだ!」って思ったんだよ。
だけど、東京だから無関心な奴もおかしな奴もいっぱいいるし俺の誤解だと思おうとしたんだけど、それでも恐怖が収まらなくて。
だって、俺は確実に自分から奴に近づいて行ってるわけじゃん。
思い切ってエスカレーター逆走しようかと思ったけど、下は警察だらけだし。」

気付いていないフリを決め込もう。
そうすれば、これだけ人がいるんだから自分だけが選ばれて何かされるなんてことはない。

Yはそう思ったらしい。
気付くとそいつとはもう目と鼻の先。
「勘違いだ」「ただの変わり者だ」と頭の中で念仏みたいに唱えて、そしてとうとう男と並んだ。

けど、何もない。
「やっぱり考えすぎかぁ…」
とYがほっとした瞬間、

「おぃいいいいい!!!!!!!!」

と、ホースを指でつぶしたようなごぼごぼ(?)みたいな音をさせながらもの凄い声で唸られたらしい。
Yが驚いて後ろを振り向くと、ボロボロのスーツの上に、潰れたトマトみたいなのを乗せたモノが四つんばいになって

「おまえよくハンバーガーなんて食えるなぁああああああああ」

Yはそこで尻餅を着き放心。
前にいたおばちゃんに「大丈夫!??」と手を貸してもらうが立ち上がることができず、そのままエスカレーターの終わりまで座り込んだままだったらしい。
で、なんとか待ち合わせ場所のマックまで来て、俺のハンバーガー見て発狂。

Yはこの話を一気に話し終えると
「でも、人が死んだのを面白がった俺が悪かったんだよな」
と言って反省している様子を見せたが、そのまま席を立つとカウンターでテリヤキバーガーを注文していた。

おじさん、Yはハンバーガーを食べました。

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