中古プリンタはもう買わない。
当時私は大学生でレポート作成とかで使いたいのでプリンタを探していたんです。
週末友達と秋葉原をうろついて中古の店で白黒のレーザープリンタを見つけました。
値段は9800円でした。
当時としてはかなりの掘り出し物だったと思います。
比較的新しく、保証期間もついていてラッキーだと思っていました。
早速アパートの部屋に帰りドライバをインストールしてテスト印刷しました。
テスト印刷をクリックし私はトイレへ、友達は笑点を見てました。
そのとき友達は異変に気づきました。
テスト印刷のはずなのに印刷が止まらないんです。
セットした紙を全部使って印刷は止まりました。
パソコンの画面を見てもエラーは出ていません。
印刷された紙を見て友達は
「わっ。」
と叫びました。
なんと、紙にはいかにも女の人の顔の画像が印刷されていたのです。
輪郭などは不鮮明でしたが髪や目、口が黒くこちらを睨んだような顔つきが印象的でした。
しかも、一枚一枚画像が微妙に違っていました。
不気味に思って今度は適当にテキストファイルを印刷したのですが
問題ありません。
不思議に思っていると勝手に印刷がされ、そこには
「どうして私を捨てるの?」
と。
友達は返品に行こうといったのですがもう閉店の時間が近いので
明日にすることにしました。
でも不気味でしょうがなく、嫌がる友達に晩飯奢ると言って大学のサークルの部室まで一緒に運んでもらいました。
翌日大学に来てあのプリンタを運びだそうと部室に行ったら後輩が困った顔をして
「先輩、昨日ここに泊まりましたか。」
と聞くんです。
後輩の話では部室のドアに紙がはさんであってそれは学生自治会からの注意勧告書でした。
部室に宿泊しないでくださいといった内容。
とりあえず後輩に全部員に聞いてみてと言って私はプリンタをキャリアに乗せて買った店まで行きました。
店員が動作検証をしても異常がなかったので、返品は受けられないと言ってきたのですが、なぜか私はとっさに
「引き取ってもらえませんか。」
と言ってしまい3000円くらいで引き取ってもらいました。
大学の部室に戻ったら後輩が寄ってきて先程の話の続きをしてくれました。
誰も昨夜は泊まっていないと。
後輩が自治会に確認に行ったら担当の人の話によると
「警備員が昨夜見回りしていたら(私達の)部室から女の人の叫び声が聞こえてきて、注意をしようと部室に寄ったが電気が消えていて鍵がかかっていた。ノックしても開けてもらえず立ち去った。」
ということだったようです。
後輩は部員一同思い当たりはない事を告げ、部外者の侵入ではないかと述べたようです。
結局部外者の進入の恐れありという処理になり、後日ドアの鍵を換えてもらいました。
あの日の晩部室では何があったんだろう。
あの日の晩プリンタを移動してなかったら何がおきていたのだろう。