窓越しに肩を掴む手

窓越しに肩を掴む手 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

本日、生まれて初めての霊体験をしてしまいました。
もう、つい先程ですよ。

ちょっと状況を説明しづらいのですが・・・。
今日は、ちょっと残業をしまして、いつもより帰りが遅くなりました。
山の手が落雷により遅れてたなぁ。

オレの家は小○急線の沿線なので、新宿発の急行に乗りました。
座席は全て埋まっていたのですが、まだ混み合っては無く、
首尾よくドアのすぐ横の場所を取ることが出来ました。
ここは座席の手摺りに寄り掛かることが出来るので、立ち乗りではベストポジションですよね。
今考えると、この車両だけ、この場所が空いてたのも、何かあったのかなぁ?

程なく電車は動き出し、オレはボケーと窓の外を眺めていました。
駅を出ると、外は暗いので、車内が映って見えます。
車内は通勤時間帯程ではないものの、そこそこ混んでいたのですが、ふと、一人の乗客に目が止まりました。
反対側のドア付近に、向こうを向いて立っている男性。

その肩に手が掛かっています。
「イチャイチャしてやがるな・・・」
と思い、振り返って実物を見ると、手が無い。

もう一度、窓越しに見ると、やっぱり手が肩を、しっかりと掴んでいるのです。
その時は何故か、全く怖いとか思いませんでした。
「あれ~?」くらい。

やがて、途中駅に着き、人の乗り降りがあり・・・
また電車が動き出し、車内が映るようになると・・・

「!!!」
手が近づいている!

つまり、オレのすぐ後ろに立つ男(こっち向き)の肩に、腕が掛かっているのです。
窓越しに良く見ると、男の首の後ろあたりに、何か女性の頭の一部が見えます。

このとき初めて、全身がブワッと総毛立ち、変な汗が出てきました。
なるべく素知らぬフリをして外の景色を見ようとしましたが、結構はっきりと車内が映るので、ついつい見てしまいます。

「うわー!ヤバい!気付かないフリしなきゃ!次の駅で車両を変えよー!」

と考えていました。

その時ちょうど、電車が通過駅を通過し、一瞬車内が映らなくなりました。
が、次に映った時・・・

オレの肩に手が!

後ろに誰か・・・居る!
手がオレの頬を撫で回す・・・が、触られている感覚は無い。
でも、メチャクチャ掻き撫でている。

肩の後ろに、顔は見えないけど女の頭がある。
なぜだか逃げることが出来ない。
かなり長い間、触られ続けたと思う。
汗がしたたる。
振り返ることなんて出来ない。
そのまま10分くらいだろうか。
やっと、降りる駅に着き、コチラ側のドアが開いたので、
転がるように駅に降りました。
精一杯何事もないようにエスカレーターを降り、トイレで鏡を見てみると、何も映っていませんでした。

その後、凄く気持ち悪かったけど、別に何もせず家に帰って来てしまいました。
実際こういう体験したの初めてだけど、叫んだり逃げたりって出来ないものですね。

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