いなくなった祖母

いなくなった祖母 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

かれこれ二年前の3月3日。
自宅の電話が鳴り、とると、オジからの電話でした。
めったにかけてくる人ではないので、初めはビックリしたのですが、内容は、「旅行先で祖母がいなくなって探している。」という事でした。
詳しくお話すると、祖母は祖父と一緒に同じ町内の人と旅行に行っていました。
場所は四国の方で、旅行の最終日の夜、祖母が、明日は早いから早く寝よう。と、23時15分に
電気を消したそうです。
(時間は正確だそうです。同室な方で、腕時計をはずさないで寝る方がいて、見ていたそうです。)

そして、その方が25時5分にトイレに立った時、祖母の姿はもうなかったそうです。
祖母はタバコを吸う人なので、その時点では、「きっとロビーにタバコでも吸いにいったのだろう。」という考えしかなかったそうなのですが、さすがに、次の日の朝に起きても祖母がいなかったのには、同室の方も祖父も驚き、全員で探したそうです。
ホテル(旅館?)の名前は言えないのですが、そこは、とても大きなところで、そのホテルにいくには、船か、バスで山道を行くしかないそうです。
周りは断崖絶壁だそうで、(オジに聞いた話。真実は分かりません)なにも無い場所だそうです。
いくら探しても居ないので、警察や警察犬、ホテルの方も総動員して探したのですが、結局祖母はみつかりませんでした。
部屋にはタバコも靴も荷物もあり、浴衣に靴下にスリッパという格好に違いないという事でした。

家族全員狐につままれたような気持ちでした。
祖母が行方不明になった次の日、本家の次男(24歳)がなくなりました。
突然。駐車場で、車に乗り込もうという格好でなくなっていました。
突然の心臓発作。っだったらしいです。
それが、二年前の3月4日。
その年は、何人親戚で亡くなったでしょうか・・・
喪服をしまう暇もなく、そして、若い年齢の人ばかりが亡くなっていくのでした。
友人には、「今度は自分の番にならないようにしなよ。」と言われていました。

そして、一年前。
3月1日。
私は彼氏と車に乗っていて、交通事故にあい、私は奇跡的に助かり、彼は即死だったそうです。
事故から2~3日は、私の意識はなく、3月4日に意識が戻り、退院する時にその事を聞かされました。
仕事を辞め、部屋に引きこもるようになりました。
不眠、フラッシュバック、と、
事故のトラウマはひどいものでした。
祖母の事ともつなげられ、私は、田舎に居たたまれず、上京しました。

学生の頃に東京にいたので、さほど大変ではなく、再就職もし、不眠も直り、日常生活ができるようになりました。
よくよく考えれば、彼が亡くなってから、身内に不幸は一度もなくなりました。
私は小さい頃から霊感のある方で、感じたり、夢に見たり(だれかが亡くなるとか正夢が多い。)だったのですが、ここ一年まったくありません。

そればかりか、彼のところにお参りにも行っていないのです・・・
彼の母親に拒まれています。
彼の位牌も仏壇も、ましてやお墓も・・・
PTSD(事故のトラウマ)が酷く、事故の記憶が無いので、事故現場も曖昧にしか覚えていません。
事故現場にも行っていません。
彼の前できちんとさようならもありがとうも伝えていません。
そればかりか、お線香も上げていないのです。
気がかりで気がかりで仕方がありません。
事故や自殺などで亡くなった方が、生きていた頃の周りの人を連れて行く。
という話をよく聞きますが、それは、その人が亡くなってから一年目、三年目、七年目。だそうです。
しかも、私のアパートは神社に近く、神社は気がとっても清いので、その周りの気は淀みやすいのだそうです。
等など、何かあるに違いない。などと思っていたのですが、昨日泊まった彼の突然の体調不良。
いやな予感がしてしまいます。
心配でさっき電話を入れたら、なんともないそうです。

こんなにも3月に身内の不幸がつづく事や、彼へのお参りに行っていないこと等等、見たとか、声とか、そんな凄い怖くはない話かもしれませんが、年齢の若い人の突然の死が三月に集中してしまうので、三月は、本当に私にとっては怖いのです。
位牌の前げなくとも彼への供養の仕方などがあれば、教えていただけるととても助かります。
長いわりには、怖くないかもしれません。
読んでくれてありがとうございました。

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