数年前、バイクで峠を走ってっていて登山道の入り口を見つけた。
バイクを登山道の入り口に停めハイキング気分で登山道を登った。
1時間ぐらい登っていくと倒木が多く、しまいには土砂崩れで道が途切れていた。
しかたがなく、下山していると、老夫婦に出会った。
「この先通れませんよ。」
と教えてあげると、老夫婦は
「はい。いっしょにどうですか?」
と答えた。
(はあ?いや俺は下山してるんだが)と思いつつ
「いやあけっこうです。」
と答えた。
老夫婦とすれちがって30秒ほど歩いただろうか、
(通れる道があるのか?俺が道を間違えたのか?)
と思い振り返ってみたが老夫婦の姿は見えなかった。
俺はジョギングペースでまた道を登り始めた。
すぐに老夫婦に追いつくだろうと思い分かれ道に注意しながら登ったが結局、老夫婦は見つからず分かれ道もないまま土砂崩れの場所についてしまった。
(????)
俺はキツネに化かされた気分でまた下山しはじめた。
下山しているうちに気分が悪くなってきた。
胃がムカムカする。
だんだん頭もずしんと重く痛くなってきた。
胃のムカツキだけでも消そうと口の中に手を突っ込みゲーゲー吐いてみたがムカツキは治まらなかった。
フラフラしながら登山道の入り口に辿り着いた。
登るときには気づかなかったが入山届を入れるポストと低い山だが険しく数ヶ月前も遭難者が出て死んだので必ず入山届をいれるように。
との旨が書いてある看板があった。
俺は急に怖くなって急いでバイクに乗って峠を走りだした。
麓の村まで降りて来て少し休もうと思いちょうどヨロズ屋があったので缶コーヒーを買い店の前のベンチで一服していると通りすがりのお婆さんが話し掛けてきた。
「そこ、左行くとお寺さんあっからよ。おがんでもらえ。」
まあ金かっかけどな。
しおとかいいっていいけどやっぱりお寺さんのがなあ。
しおもってっか?ここでもうってけどなあ。」
と訳の解らんことを言って去っていった。
気分が悪いうえ変な婆さんに話し掛けられorzになっていると、(しお?塩?エッ?寺...?霊?霊がついてるのか?)俺はお婆さんの言ってる意味がやっと解り、ヨロズ屋で塩と日本酒を買い塩と酒を頭、両肩、バイクにドバドバかけた。
塩と酒が効いたのか帰る途中に気分の悪いのは治まった。
検問やってなくてよかったよ。
ホント。