私とツレで好奇心故に無断で軍艦島に探索に行った。
私は当時のまま時が止まっている軍艦島に感動した。
存分に探索した後、昼間のうちに帰ることになった。
ボートに向かっている間、ツレが何度も後ろを確認している様子だった。
「いや、何かいるような気がして」
とんでもない、来ているのは私達だけなのだ。
ボートまであと少しという時に私は携帯が無いことに気づいた。
さっき転んだ時落としてしまったのだと思い、ツレをここで待たせ取りに行くことにした。
幸い50mほど戻った所で携帯はすぐ見つかった。
ツレの所に戻る間、ふと何かの視線を感じたが意識しないようにした。
その日無事私達は家に帰った。
2日後私は写真の現像した写真を見て驚愕した。
それは心霊写真と言えるのか、なぜなら中年の汚ない男がハッキリと写っていたのだから。
ビルの影に隠れながらじっと私達を見ている、心霊と違いぼやけず写っている事が不気味だ。
私は何か思い当たる節があり、軍艦島関係の記事をネットでみてみた。
膨大な量に諦めかけていた時、それはあった。
30年も前の記事。
[少年五人軍艦島に行き一人行方不明]
[少年の捜索難航いまだ見つからず]
まさかと思いながらも写真を破り捨てた。
30年間もあんな孤島で生きていけるはずがない。
一体何者なのだろうか。