俺、内装の仕事してるんだけど、新築マンションって客に引き渡してから1年後に客が指摘した不具合のある部分を業者が手直しするんだ。
この前一年点検で入った都内の50所帯位の規模のマンションで、「ユニットバスの壁交換して欲しい」っていう指摘を出してるお客がいて、傷でも入ってるのかと思ったら「お風呂入ってると壁のパネルから女の子が出てくるから」って理由だったらしい。
ただその時は誰もが気がつかないフリをしていた。
その日はこれで終了 以下は兄貴から聞いた話。
また別の日、二人は遊んでいた。開校記念日か何かで、平日の朝からずっと二人でゲームをしていたらしい。
兄貴「いいかげんあきてきたなぁ」
友人「たしかに.他に呼んで外で遊ぶか?」
兄貴「いやぁいいや.」
友人「13階のことなんやけどさ、物置やねぇらしい」
まぁ、数世帯に一件は頭のオカシイ客がいるものなので、今回もその手合いかと思ってたら、、、。
なんと他にも同じ指摘を出してる家が十数件もあったらしい。
ちなみに、その現場ってマンション建てる前は人形を供養する場所(寺?)だったらしい。
俺は自分の仕事だけして1日で現場離れたけど、その後どうなったのかは分からない。
ユニットバスの壁なんて交換するの金掛るからゼネコンの人も頭抱えてたな。
友人「親に聞いてみたんやけど、入居するときに管理人に『13階は入居者立ち入り禁止』と言われたらしい」
「まぁ雰囲気でなんか察したんかなぁ?親は追及せんかったみたい.」
兄貴「ふーん」
違うゲームで気をまぎらわすも、もうどうにも暇で仕方がなくなった。
暇は人に勇気を与える。
二人は13階に入ることにした。
兄貴「そういやさ、エレベーターが13階に止まるの見たことあるん?」
友人「ある.気になって降りてくる人見ようと思ったんやけど、誰もおらんかった」
兄貴「まぁそれは、別に不思議でもねぇけどな」
エレベーターが来たので、乗り込む二人エレベーターは4-5-6-7階と
暗い-明るい-暗い…明るい…
を繰り返して上がっていく そして
12-13階
明るい…暗い………暗い
最上階は真っ暗だった
ドアが開いてやっと着いたのだと分かった。
それまでぼうっとしていた二人は13階に足を踏み入れた。
目もなれてきて、見回してみると、ドアが2つあるので部屋数は2だと分かった。
友人「この階だけ暗いのは、壁に囲まれちょんけんか」
兄貴「いや、それもあるんやろうけど、灯りつけてねぇけんやろ」
友人「あ、そうやわな」
友人&兄貴「www」
すると背後から
「ククククッ」
女性の笑い声が聞こえてきた。
兄貴は”頭から血の気が引く”という体験を初めてした。
振り返ると全身真っ白い服を着た女の人が立っていた。
体つきは細く、髪は胸まで伸びていて、口元は横に開いて
「クククク…フフッ」
と笑っていた。
完全にヤバい…
兄貴「こ…こんにちはぁ」
ヒタヒタとこちらに近づいてくる女。
友人と兄貴は手を取り合いながら震えていた。
「ねぇ…」
腹に力を入れてない声で
「ねぇ…私の部屋にこない…」
兄貴「へぁっ…ふぁ」
「たのしいのよォォ…」
友人「いえぇ…い、いぃです!まっまた今度で」
「こんどォ…?」
「フフフゥ」
兄貴「はひぃ…また今度で!」
兄貴が答え終わると女は、がっ!と顔をあげ、目を見開いて
「今度って…いつぅ…?いつなのよォォオオオ!!!」
「イイヤァァアオオオ…ヴォォオアォオオ!!!!!!」
兄貴と友人は急いでエレベーターに逃げ込み、『閉』をバンバンする
「ゥヴヴゥォォオ゙オ゙アォオオヴオオオ゛アォオオオオ!!!!」
奇声を上げて睨んでくる女の表情は怖すぎて目を離したくても離れなかった。
その後は急いでアパートから逃げ、俺達兄弟の家に。
友人はその日うちの泊まった。