亡くなった人が見える

亡くなった人が見える 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

亡くなった人がときどき見えることはあるなあ。
亡くなって49日くらいまでの間。
力が弱いので、気配くらい~輪郭くらいしかわからない。

知り合いのお父さんのお通夜に呼ばれた。
面識がほとんどなかったんだけど(一瞬見た程度)、前夜、暗いところにぼんやりとステテコみたいな格好で立っている姿と、非常に個性的な顔立ちが見えた。
感じ的にはほとんどシルエットクイズ。

翌日、御棺を拝見してビックリ。
あんな個性的な顔立ちだったのに、うり二つだった…。
体つきも特徴的な方だった。
あ~本当だったんだなと実感した。
急逝だったんだけど、自宅でステテコ姿で倒れられたかどうかはあえて聞かなかった。
さらにぞっとするだけだし…

いつも亡くなった方の気配を感じるたび、何かいいたいことがあるのかな…、と神経集中してみるんだけど、だいたいはまだ成仏する前で、亡くなった事を実感できていないまま、縁者のところを巡ってるのかな、という印象。
目で見えるというより、目ではないほうの目?心眼?で感光紙のように心に映る感じ。
ここで会話できると本物なんだろうけどね、むりっぽいっす。

無表情でボーっとした感じで、悲しい・寂しいとか不安とか、そういう感性(感情)はもうすでに無くなってるみたいだよ。>亡くなった方
存在が黒っぽみえくて、土に還る前みたいな無機質さ。
きっと別次元の感性になっていくんだろうね。思考もない感じだよ。だから怖くない。

一度だけ凄い怖げなものを感じたことがあるんだけど、自殺した女の人。
葬式の晩に、不倫相手に付いてその人の自宅まで来てた。
たまたま同じマンションに住んでた顔見知り程度(奥さんにお茶に呼ばれて部屋にお邪魔してた)だったんだけど、どす黒い陰をつれて部屋に入ってきたのを見て、心臓が高鳴りました。
人生初、本気で怖かった。
ちなみに、塩は効かなかったです…

親の知り合い。
割に年が近かったので親切に可愛がってもらって、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と呼んでたんだけど、私自身は学生で、お二人とそんなに頻繁に会ってたわけじゃないんだ。
親はよくゴルフとか行ってたみたいだけど。
そういうわけで、「たまに遊びにおいで」といってくれてたんだけど、共稼ぎ夫婦だったので数えるほども行ってなかった。

ところがある日、奥さんが仕事から帰ってきたら、置手紙で旦那が彼女と旅行…。
で、愚痴っぽい人じゃなかったんだけど、「離婚したくないけど困っている」とボソッと話されたんだ。
私はまだ学生だったから、??って感じだった。

で、その日、お姉さんのほうが休みの日で、たまたま「お茶しにおいで」と誘われて行ったわけ。
すると間もなく旦那さんのほうが帰ってきた。(実は不倫相手の葬式帰り)
そこまで私は知るわけ無いから、「おかえり~」とかのんきに声かけてふと見たら、真っ黒なものが見えて、心臓が割れるような動悸になった。あんなことは人生で初めて。
(実母は少し霊感体質だったけど、私は鈍かった)
「ど、ど、どこいってきたの?何かついてるよお兄ちゃん!」とつい言ってしまった。
葬式帰りなので、本人が当然(葬式会場で配られる)塩を持ってたので、かけてみたわけ。
あれって形式だから量少ないじゃない?
本人がすごい怖がりな人で、「もっとかけてくれ」というので、奥さんが塩をもっと出してきてた。

で、私は姿が見えないから、自分の動悸がおさまったからもういいかな、と思って早々に失礼したんだ。
なんか取り込みそうだったし。

そしたら翌日かな。
夜、突然『今すぐ来て』とお姉さんのほうから電話が来て、(そんなこと初めて。そこまでの仲じゃない)
そしたら夫婦で凄いケンカしてるの。
どっちかいうと、お兄ちゃんのほうが一方的にくだまいて嫁さんに絡んでるかんじで、マンションに響くくらいの声で、物とか投げて凄かった。
呼ばれたんで一応いったんだけど、人が変わったみたいになってた。
目が不自然に濁ってるのよ。(あとで母にきくと、死霊がとりついているときはそうらしい)
声とかうわずってて、何か別人みたいだった。
(自分が浮気者のくせに)恨み言をがんがん奥さんにぶつけてるのよ。
私が「何暴れてんの、お兄ちゃん?」って感じで一貫して淡々と接してたら、急に倒れたみたいにコテンと横になって寝てしまった…。(本人酔っ払ってない)

「なんかよくわからんけど帰るね」といってすぐまた失礼したんだけど、おそらく、多少気配が感じるよそ者の私が入ってきたんで水をさされて、退散したんじゃないかな。
なんの騒ぎか正直わからんかったが。(「奥さんに嫉妬してるのよ」と母に言われて、あとで合点がいった)

塩では不倫霊は退散せんのだなと思ったけど、年上の親の友達の、それもプライベートな取り込み事にはいりこみたくなかったので、気にしないようにして忘れることにした。
それと、間違って私についてこられるのも怖かったw

その後、しばらくして就職で引越しして、それきり私は全く夫婦に会わなくなったんだけど、親とは付き合い続いてたみたいだが、本人、凄い激やせしてたみたい。何があったかは知らない。

ピンポイントであんな修羅場に居合わせるとは、世の中不思議なこともあったもんだ。
それ以来、心臓が割れそうな怖い目にはあったことがありません。
いまだに不思議な縁だったと思う…。

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