数年前実際に体験した話。
高校3年生の夏のこと。
自分の部屋にクーラーが無いため、その日は居間で受験勉強していた。
目標のとこまで済ませた時にはもう夜中の3時を過ぎていたと思う。
さすがにこれ以上やると明日に響くと思って、勉強はそこで切り上げ。
両親はすでに寝入っており、私のほかに起きているものはいない。
居間の電気を消すと家は本当の真っ暗闇になる。
真っ暗な中、ふらふら壁を探りながら自分の部屋へ向かった。
入り口の引き戸を開けて、すぐ左にある蛍光灯のスイッチを押す。
蛍光灯特有の、点灯前の点滅が
チカッ チカチカッ
としたその瞬間、何か黒いものが振り子的な動きで ブ ワ ァと目の前に迫った。
(浅間山荘の事件で使われた鉄球を正面から見たみたいな感じ)
それにビックリしてそのまま後ろに倒れて、天井のほうに視線がいった。
そしたら手足をものすごい勢いでばたつかせた赤ん坊が上から落ちてきた。
逆光のせいか、顔は真っ黒に見えた。
そいつが落ちてきた。
俺の腹の上に。
その後俺はまぶたくっつくかと思うくらい目を閉じて、そのままの姿勢で硬直していたよ。
金縛りとかそんなんじゃなく、ただ動くのさえ怖かったんよ。
そしてその姿勢のまま朝を迎えた。
もう赤ん坊はいなかった。