山の空き地

山の空き地 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

何にもない田舎で、遊ぶ場所と言ったら家の前の川とか近所の山しかないけど、毎日楽しかった。
そこの家にも子供が居たので、その同級生も混ざって総勢10数人で遊びまわってた。

山を探検してる時に、空き地のような所に出た。
急にそこだけ山道が開けていて、草もあまり生えてない。
地元の子達も知らなかったらしく、地面は平らで遊ぶには丁度よく、皆で「アジトだー」と喜んだ。
けど何か空気が変だなと違和感を感じていたら、従姉妹の子が変な顔して、「蟻も這ってないし虫も飛んでないね」と言う。
なるほど確かにそうだと思っていたら、誰かが「抜け道発見!」と叫んでいた。
見に行くと、道?と言えなくもない草に埋もれた所に飛び石が置いてあった。

皆でその道を抜けようと足を踏み入れた時、口の中に突然異物感。
全員ではないけど、数人の子が同じように舌を出しぺっぺし出した。
口の中のモノを指でつまむと、数センチの白いうねり毛。

皆気味が悪くなり急いでひき返したけど、男の子2人(地元の子)が見当たらない。
国道横まで戻ってしばらくしたら、彼らも興奮しながら走って戻ってきて一安心した。

聞けば、道の終わりには大きな岩があって、その上にまた石が積んであり、奇妙な事に綺麗な白い紙が敷いてあったらしい。
帰宅して叔母さんにその事を言ったら、「変な所に行って迷子になって帰って来れんくなってもしらんよ!」と怒られた。
幸い皆無事に帰宅できたので良かった。

何年かして、親戚の子と話してた時に後日談を聞いたんだけど、あの夏休み私達が帰って行ったすぐ後に、例の男の子達がまた確かめようと山に入って行き、一人は行方知れずで、もう一人は未だに子供のまんまの状態だって。

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