会社の先輩が中古のカスタム車を買ったので見に行った時の話。
先輩の家の前に着くと車をジャッキで持ち上げウマをかけて、車体の下で作業している先輩の足が見えた。
その時…
「おっ 来たな」
と車の向こう側のボンネット辺りから先輩が顔を出して言ったので挨拶を交わすと、先輩は顔を引っ込めた。
じゃあ車体の下で作業している人は誰だろうと思っていたらクリーパー(寝板)をススーと滑らして車体の下から出てきたのは先輩だった。
俺が呆気にとられているのに、先輩は意に介す様子もなく車の自慢をはじめた。
さっきのは見間違いだったのかと思うことにして、先輩とその辺を軽くドライブに行ったのだが、途中喉が渇いてコンビニにとまり俺が飲み物を買いに入った。
コンビニの窓越しからバックで駐車した車を何気なくみると、運転席の開いたウィンドウからタバコを持った先輩の手が出ているのがみえる。
ところが後部座席のウィンドウが下がりはじめて、そこから先輩の無表情な顔が真横にスッと出てきて目があうと…。
途端に車が急発進して先輩は顔を出したまま車道を横切り田んぼに突っ込んでいった。