中学生の頃、「カセットレコーダーを使って霊を呼ぶ方法」というのを悪友から教えてもらったことがあります。
中身は簡単。
深夜に人のいない部屋(または屋外)で60分テープを「録音」状態にして放置します。
テープがいっぱいになったら、自動的にストップ。
そこで、このテープを巻き戻して聞いてみると風や遠くの物音とは明らかに違う「声」が自分の名前を呼んでいるのが聞こえてくるのです。
そう、テープの中に憑依霊が来ているわけです。
注意すべきは、このテープは聞いた後すぐに仏壇か神棚に上げて礼拝し、焼き捨てることです。
他人に聞かせるなどもってのほか…
この「注意」を守らないどころか、学校にテープを持ってきて皆に聞かせた子がいました。
「何も聞こえないよー」
「え?どこ?ほんとに呼んでるのー?」
彼は
「ここだよ、俺の名前を呼んでいるって…」
と繰り返し説明していました…
が、途中で表情が強張ってろれつが回らなくなり、泡を吹いて机に倒れ込みました。
これはえらいことだと皆驚き、彼を担いで保健室に運びました。
事情を聞いた養護の先生は
「おかしな遊びをするもんじゃないの!」
と一喝。
ほどなく別の先生が運転する車で病院へ。
その後、3ヶ月ほど彼は学校を休みました。
噂では遠くの精神科へ入院していたとか。
学校に出てきてからも、彼は時々
「あ、呼んでいる…」
とつぶやくのです。
霊の姿も見えるとか言ってました。
これだけでも、中学生だった当時の私たちには十分「怖い」体験でしたが、もっと怖い事実があります。
その彼は今、精神科医になっているのです。
「霊が導いてくれた」そうです。