ねぇ、、ドコ?

ねぇ、、ドコ? 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

コウ一行が、長期休暇を利用して、静岡だか神奈川に遊びに行ったときのことなんだけどね、朝早く出発して、昼頃に現地に到着した。
彼らまぁ、時間もまだ余っていたので温泉巡りなどをして、宿にチェックインしたらしいのよ。
んで、人数は8人くらいだったけな?結構な大所帯だったから、部屋は二つ、4人づずつに別れたのね。
その時コウの泊まった部屋はトイレが壊れていて使用不能なので、廊下にある共用トイレを使用するようになっていた。
コウは部屋に案内されると同時に悪寒を感じたらしいんだけど、まぁ、折角の楽しい旅行だしここで、変な事言ってみんなを怖がらせるのもナンだしそのときは、だまってたんだってさ。

その日は長期に渡るドライブ&温泉巡りでコウを含みみんなヘトヘトだったもんだからみんなして一気に爆睡!!
でも、コウはちがったようで、夜中に目が覚めてしまったらしいんだわ。
なんか、イヤーな予感がするなー、なんて思ってると

カリッ、カリッ、カリッ、カリッ

何者かが隣の居間で何かをカリカリひっかいている音がしたらしいのよ。
コウも疲れていたので必死に眠ろうと努力はしていたらしいんだけど、いかんせんその音がどうも気になる。
そんなこんなしているうちに、コウ以外の一人(仮名Aさん)が

A「ねぇ、コウ、、起きてる?」
「ん?ああ起きてるよ」
A「さっきから変な音が聞こえるんだけどコウもそう?」
「ああ、、なんだろうね、、。」

などと二人で会話している最中も

カリッ・・カリッ・・カリッ・・カリッ・・カリッ・・カリッ・・

変な音は鳴り続ける・・・
二人はその音を聞き入るように聞いていた。

どれくらいの時間が経っただろうか・・・

カリッ、、カリッ、、、ガチャガチャッ、、ガチャ、、ガチャガチャガチャ・・・

音が変わった、、、。
息をのむ二人、、、

A「なんか、、気持ち悪いね、、、。」
「うん、、なんだろうね、、。」

と、、またその音に聞き入る二人、、
長距離旅行の疲れもあってか、二人ともその音に聞き入っている内に眠ってしまった、、、。

その日は朝から観光巡り。その地の名産品に舌鼓を打ち、景色に見とれ、宿へ帰っていったコウご一行。
そして、部屋にはいると例によってまたしても悪寒がコウを襲う。
しかし、、昨日とはなんか違う、、、ふと悪寒のする方に目をやるコウ・・・

「ウオッ!?」

なんと、、そこには・・・・棚の上にガラスケースが置いてありガラスケースには日本人形が飾られていたらしいのよ。
そりゃぁ、コウもビックリしたみたいだよ。
昨日は気が付かなかったのに何故今日になって気が付いたのか?
ガラスケースをよく見ると、人形を出し入れ出来るように取っ手が付き、ドアのようになっている。
・・・・・そして、コウは想像しちゃったんだよ、、
昨日のあの出来事は、その日本人形がガラスケースから出ようとしてケースをひっかいたり・・・・ケースを押したりしていたんじゃぁないか?ってね、、、。
フト視線を感じそっちを見てみるとAさんがコウを見ている、、、。
そして、見つめ合うAさんとコウ・・
すると、ひそひそ声でAさんが話しかけてきた、、

A「ねぇ、、昨日の音、、アレってコレじゃぁ!?」
コウ「ああ、やっぱり?俺もそんな気がする」

しかし、Aさんもコウも、他の人の気分を害するのも何だし、音こそすれ、他にはなにもなかったので 今日もそのまま同じ部屋で寝ることにした。

飯を食べ、風呂に行き、トランプ、、UNOなどをして遊び飽きると、別部屋の4人は部屋に引き上げていき、コウたちも布団を敷き、就寝。
はじめはぐっすり眠っていたコウだがやはり、目が覚めてしまったようだ、、
時間を見ると時計は丁度2時を指していた。

「ねぇ、、起きてる?」

Aさんの声だ、、

コウ「ん、、ああ、、Aさんも目が覚めたんだ、、」
A「うん、、、コウもやっぱり目が覚めてたのね。」
コウ「なんか、変だね、、昨日音を聞いた俺とAだけが聞いて、、そして、今起きているのは、俺とAだけ、、、」
A「うん、、変だよね、、、」

なんて二人してひそひそ声で話していると・・・

カリッ、、カリッ、、、カリッ、、、、ガチャガチャ、、ガチャガチャ、、、カリッカリッ、、ガチャガチャ、、

コウ「始まったよ、、昨日と同じだ、、、。」
A「イヤ、、怖い、、、」

そしてまた、二人でその音に聞き耳を立てる・・・
その時の二人の脳裏には先ほど見た日本人形がガラスケースのドアを開けようとしている様が鮮明に思い描かれる、、、。

コウ「、、、、、、」
A「、、、、、、」

ガチャガチャ、、ガチャガチャ、、、ガチャ、、ガチャガチャガチャ、、ガチャガチャ、、、ガチャ、、ガチャガチャガチャ、、ガチャガチャ、、、ガチャ、、ガチャガチャガチャ、、ガチャガチャ、、、ガチャ、、ガチャガチャガチャ、、ガチャガチャ、、、ガチャ、、ガチャ

コウ「、、、、、、、、」
A「、、、、、、、、」

ガチャ、、、、、ガチャ、、、、キィィィィィ~~~カッチャ・・・ボタッ、、、、、、、カサッ、、、、カサッ、、。

コウ「!!!!!」
A「!?!?!」
コウ「ねぇ、、やばいよ、、出てきた!!」
A「う、、うん、、怖いよう、、」

カサッ、、、カサッ、、カサッ、、カサッ

ねぇ、、、ドコ?、、ねぇ、、ドコ???

コウ「や、、やばい!!こっちに来る!取りあえず、電気を付けて他の人を起こそう。Aは電気を付けて、、俺が他の人起こすから。」
A「うん解った」

コウは、他の人の体を揺さぶり起こそうとするが一向に起きる気配のない他の人、、、
深い眠りについているためだろうか、、、?
コウは思い切って、ビンタしたり両手で肩を押さえて、思いっきり揺さぶったりしてみたが、、他の人たちは起きない、、、
AはAで電気を付けるために蛍光灯から伸びているヒモを引っ張るが、、電気は一向につかない、、、。

コウ「や、、やばい、、、起きないよ、、」
A「ど、、どうしよう!?電気付かないよ!!」

思い切って外に出ようとも考えたがそのためには、その人形の居る部屋を通過しなければならない。
電気もつかず、他の人も起きてくれない、、、
コウたちは、その部屋の一番隅まで行き、身を縮めるようにしながら二人で寄り添っていた。

カサッ、、カサッ、、、カサッ、、カサッ

ねぇ、、、ドコ?、、カサッ、、カサッねぇ、、、ドコ?、、ねぇ、、ドコ??

カサッ、、、カサッ、、カサッ、、、、、

コウ「たのむぅ、こないでくれ!たのむから、、見つからないでくれ!!」
A「・・・・・・・・」

カサッ、、カサッ、、、ねぇ、、ドコ?

その音は段々遠ざかり、お風呂の前ぐらいまで行っただろうか?

ねぇ、、ドコ??ねぇ、、ココ??ココ???

キィィィ、、カチャッ、、ちがう、、、、、、ねぇ、、どこ?、、、ねぇ、、、どこ??

今度はその音がコウたちの居る部屋の方に向かって歩き出した、、、、

カサッ、、カサッ、、、ねぇ、、、どこ???

カサッ、、、カサッ、、、ねぇ、、どこ?

迫り来る恐怖にコウとAさんはただ黙って心の中で、、頼む!来ないでくれ、、たのむから、、と、念じながら身を震わせているだけ、、、、

ねぇ、、どこ??

カサッ、、カサッ、、、カサッ、、カサッ、、、カサッ、、カサッ、、、

ねぇ、、どこ?、、ねぇ、、、、、ど、、、こ?

その音はとうとうコウたちの居る部屋の前まで来た、、、。

ねぇ、、ココ??ねぇ、、ココ?

その恐怖に耐えかねたコウは、大声で

「違う!!ココじゃない!入ってくるな!!!!」

ココ?ココだね、、、、、

カサッ、、、、、、シャー、、、、

襖を開く音と共に、人形の歩く音はどんどんこっちに近づいてくる、、、。
しかし、辺りは真っ暗、コウたちの目には何も見えないが確実にその音は近づいてきた、、、

ねぇ、ドコ??ねぇ、、、

カサッ、、、カサッカサッ、、カサッ、、、カサッ、、カサッ、、、

そして、、コウたちの目の前で音が止まると同時に、、、

みぃ~~つけた、、、、、ドサッ、、、、、、、、

いきなり日本人形がコウたちの目の前に降ってきたのだ。

コウ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
A「・・・・・・・・・・・・・・・・」
コウ「おい!逃げるぞ!!!」

コウは腰が抜け呆然としているAさんを抱きかかえその日本人形を回り込み、出口へとダッシュ!
ドアを開け、廊下へ出たコウとAさん、、、
すると、、さっきまでの恐怖は嘘のように廊下には明かりがともり、落ち着いた雰囲気だ。
取りあえず近くにあった自動販売機でジュースを買い落ち着く二人、、
しかし部屋へ戻ればさっきのような目に逢う、、、
かといって、もう一つの部屋に戻っても寝るスペースは無いし、他の人を起こしてしまう。
仕方なく二人は、廊下で話をしながら朝がくるのを待った。

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