小6の時、O線のY駅に住んでいた。
俺は学校からの帰り道(夕方)、いつものコースでひとり家に向かっていた。
駅前の商店街を歩いている時だった。
線路沿いに並ぶ商店の一画に、前から空き地があった。
20坪くらいの三角形の土地だ。
両隣には商店が続いていて、そこだけポッカリ空いている。
そこに、おじいさんやおばあさんが何十人と集まっている。
20坪の土地にビッシリと、身動きできないくらいいる。
俺は、なんかの集会かなあ、と思った。
しばらく眺めながら通り過ぎたが、ふと、あんなに人がいるのに声が何も聞こえなかったなあ、と思い、振り返ると、誰もいなかった。
「ええーっ!」って感じだった。
考えてみれば、バラ線で囲まれ、人が入れないようにしてあるわけだし。
今でもあの光景は目に焼き付いている。