今年のお盆は震災後の初盆。
家まで津波はこなかったがあの時は大変な思いをした。
うちの母方の曾祖母はある離島の出身で、その島の環境や風習の所為か代々女だけ霊感というか感受性が凄く強い。
自分も小さい頃から不思議な体験を色々としてた。
そのうちの一つが、田舎の父方の墓周辺で無縁さんの墓をよく発見する。
祖父母の代で都市部に出てきた為、田舎には戸籍と墓が残っているだけ。
古い墓地で小さな山の中腹辺りを簡単に整地しただけの場所だから草や木なんかが伸び放題で凄い。
毎年、お盆とお彼岸の前は必ず家族総出で草刈りをするんだけど私がその度に高確率で茂みの中や土に埋もれた無縁さんを発見する。
寺の和尚さんにも「またかい」なんて苦笑される程だ。
母はもともと墓の隣にあった無縁さん達のお世話もしてたし私も一緒にその発見した無縁さん達にもお供えや線香をあげたりしてた。
あと私の部屋(集合住宅の1F)、いわゆる出やすい部屋なんだ。
近所に古くからある寺があって、霊道と言っていいのか分からないがそこへ向かう通り道が近くを通ってるらしい。
そして、私の部屋はそこの脇道にあたるらしい。
気にしなければいいんだけど、窓の外から視線と気配を感じたり(最初不審者が居るのかと思った)部屋を影が徘徊したり、寝ていて突然強い殺気みたいなのを感じて跳び起きたりとか、ちょこちょこ色んなのが来るからちょっと疲れる。
でも心霊現象とかないし特に害は無いから普通に生活してるけどね。
ここからが本題。
そんな私の部屋が、何故か地獄の釜の蓋からの通路の一つに直結してしまったらしい。
確かに8月に入ってから部屋や家の外の様子がおかしかった。
市街地で灯りはあるんだけど暗いというより闇みたいな感じ。
部屋にも違和感があり、明るいのに暗く感じたり圧迫感というか違和感が凄い。
一番感受性が強い従姉も「これは酷い、こんなに凄いとどうしたらいいか分からない」と困惑しながらもアドバイスしてくれた。
「お盆になったらもっと凄いことになるから気をつけて」とも。
従姉も津波被害の大きかった被災地在住だから自分のことで手一杯だったんだろう。
まあ、死者も沢山でてたし当たり前かもしれないけれど…街全体がカーニバル状態。
むしろ県まるごとカーニバル。
多分、普通の人でも夜間出歩くのは気味悪かったと思う。
そんなこんなで、12日に有給とっていつものように墓参りして、無縁さん達もお世話してお盆に突入するのを待った。
24時に向かうにつれて気味悪くなってく部屋に若干ビクつきながら酒でも飲んで熟睡しようと一人で飲んでたのね。
そして24時まわったとき、部屋の雰囲気が一変したんだ。
急に今までの気味悪さも暗さも何も感じなくなった。
何が起きたんだ…?と思ったら部屋の中に飛び回る無数のオーブ。
オーブって肉眼で見えるんだな、初めて見た。
不思議と怖いって感じなかったし、何故かこれで安心して寝れると思って寝たんだよ。
そして何事もなく翌朝。
母親にそのことを話したら、母親の夢に数人の見知らぬ男女と子供が出てきてニコニコ笑っていたらしい。
その人数、うちでお世話している無縁さんの個数とピッタリ一致してた。
そして従姉からの電話。
「部屋にある地獄の釜の入口、その人達が塞いで他が入れないようにしてくれてる」って。
吃驚した。
その後、街中カーニバルなのは変わらなかったけど私の部屋だけは安心して過ごせるようになった。
感謝の意を込めてお盆中は毎日ご先祖の他に無縁さんの分も仏壇にお供えした。
そして何事もなく今に至る。
やっぱりさ、自分の先祖じゃないから関係ないとかじゃなくて近くに無縁さんがあったら損得関係なしにお世話して供養してあげてれば何かあるんだね。
次に墓参り行った時はお菓子だけじゃなくて、お礼に大きなお握りお供えして来ようと思う。
これが今年のお盆に体験した話。
てか、無縁さんに助けて貰ったのはいいけど亡くなった祖母ちゃんとかご先祖は守ってくれなかったのかが疑問…