旧日本軍への興味

旧日本軍への興味 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

新婚旅行のハワイから帰ってきてからの話。

私の主人はいわゆるミリタリーオタクで、主に陸上部隊の知識が豊富なんだ。
なので、ホノルルにあるミリタリー博物館(←マイナーっぽいけど)やミズーリなんかも行ってきた。

展示の説明は英語で何を書いてあるのかはサッパリわからないんだけど、外国で自国の大きな戦争の歴史に向き合うって、結構感慨深いような、神妙な気持ちになったのを覚えている。

帰国してから、主人が元々の知識はあるのだけど急に旧日本軍に興味を持ち始めて、書籍を色々買っちゃー読んじゃー調べちゃーなんてしていた。
その時は、まぁいつもの趣味の知識向上期間が始まったくらいにしか思っていなったのだけど、そんな日がしばらく続いてたんだよね。
今考えてみると、海外に行って自分の国の戦争について触れて触発されたにしても、本人曰く不思議なくらいの入れ込みようだったとのこと。

ひと月ほど経ったよく晴れた日曜日、車で昼食を食べに行ったあと、ふと、
「そういえば富士(正確には富士宮)のほうに英霊を祀った神社があったよね?行ってみようか」
という話になった。

時間は13時近くだった記憶があるんだけど、彼は運転が好きな方ではなく、車で遠出(往復2時間以上)するときは午前中、遅くてもお昼前に出発が当たり前なので、

私が
「今から?」
と言っても本人は行く気満々で、その時は珍しい事を言うなぁと思った。

名前がわからなかったので四苦八苦しながらナビで検索して見つけて行って来た。
神社はこじんまりとしているのだけど広々しているような、清々としていてよく手入れをされている印象。

参拝をして見て回った後、さあ帰ろうかってなった時に、いつの間にかおじいさんがいた。
軽く挨拶をして少し話してみたら、当時の陸軍少年戦車兵学校の卒業生で、ここにはよく来ているとのこと。

姿勢もしゃべり方もしゃんとしていて、とても80ナンボのおじいちゃんには見えなかった。
(しかもチャリ漕いできていた)
おじいちゃんの当時の学校在学中のお話を伺って、改めて参拝をして帰ってきたのだけど、私も主人も憑き物が落ちたようになんだかサッパリした、というのが感想。

その日以来、主人は旧日本軍への興味が落ち着いた。
色々なタイミングが運良く重なっただけなんだけど、時間が少しでもずれていたらあのおじいさんには出会えなかっただろうし、縁ってあるんだなぁと感じた体験でした。

今では、ハワイに残っていた英霊さんが、
『こいつらなら自分の地元まで連れて帰ってくれるはず!』
って思ってついて来たんじゃない?

なんて笑い話になってます。

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