こっくりさん

こっくりさん 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

10年ほど前の話です。
ずっと誰にも話すことが出来ませんでした。
人に教えるのはここが初めてです。

私の通っていた小学校では「こっくりさん」が流行っていました。
私自身も熱中していて、毎日放課後遅くまで残って、友達(A子とB子とします)を「A子が好きなのは誰ですか?」などと他愛も無い質問をして遊んでいました。
ですが、担任の先生はそれをよく思っておらず、とうとう学校で「こくりさん」をやることを禁止されてしまいましたが、私達は隠れてこっそりと続けていました。

ところが、ある日それを先生に見つかってしまい、先生は怒って、髪をビリビリに破いて捨ててしまいました。
私達はこっくりさんを中断されたことで何となく怖くなり、A子の家に集まって再び始めました。
始めに「途中で続けられなくなってごめんなさい。怒っていますか?」と質問すると、10円玉はゆっくりと

「ゆ・る・さ・な・い」

と移動しました。
私たち三人は顔を見合わせました。
三人とも顔が青ざめていました。
腕がブルブルと震えて、三人でもう一度「本当にごめんなさい」
「二度とあんなことはしません」などと口々に言って、「許してくれますか?」と聞きました。
しかし、答えはやはり

「ゆ・る・さ・な・い」

でした。
A子は涙声になって、「ねえ、ウソでしょ?あんた達、私を怖がらせようとしてるんでしょ?」と言っていましたが、勿論私とB子は示し合わせたりはしていません。

私とB子も涙ぐみながら「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」「どうすれば許してくれますか・・・」と聞きました。
もう三人とも腕には殆ど力が入っていませんでした。
それでも腕が引っ張られるように動くのです。すると

「お・ま・え・た・ち・は・ゆ・る・す」

と移動しました。
次の瞬間、10円玉は突然紙の上から飛び出すように動きました。
その後は、私達が「ありがとうございました」「お帰りください」などと言っても 10円玉は全く反応しませんでした。

翌日登校すると、私達を愕然とさせる出来事が待っていました。
担任の先生が昨晩、急死したというのです。
原因は心臓発作ではないかと聞きましたが、詳しい ことは教えてもらえませんでした。
先生は、こっくりさんに殺されてしまったのでしょうか。
こっくりさんは私達は許しても、先生は許さなかったのでしょうか。
今でも分かりません。

ですが、もしそうだと したら原因を作ったのは私たちなのです。

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