ジャスパー・マスケリン

ジャスパー・マスケリン 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

1930年代から1940年代にかけて活躍した天才マジシャン、イギリス人のジャスパー・マスケリンは、愛国心から自分の手品が何か、役に立つのではないかとイギリス軍に自ら志願しましたが、37歳という年齢のためか入隊を断わられました。

ところが彼は諦めず、若者が行く士官学校を受けて卒業後に見事、入隊。
上官は、手品による兵士の慰安程度にしか彼の役割を考えてはいなかったのですが・・・。

マスケリンはその頃戦争で使われていたカモフラージュ術というのがとても幼稚なもので上官にもっとちゃんとした戦車の隠しかた等をいろいろアイデアを持って掛け合いました。
しかし、やはりというかお堅い階級社会。
マスケリンの考えはしょせん手品ということで門前払い。

そんな時、軍の偉い人が視察に来てマスケリンはチャンスと思い、あるトリックで見事上官を欺いて見せました。
これにより上官におもしろいと認められ彼は部隊を一つ任せられました。

その部隊のメンバーはマスケリンとの面接によって選ばれた人達。
戦争とはおおよそ関係のない、風刺漫画家、電気技師、化学者、舞台の大道具係、陶器製造者、ステンドグラス職人などからなる部隊”マジックギャング”を結成しました。
このマジックギャングの活躍によって歴史は動かされるわけです。

Axis爆撃機から隠すため、アレキサンドリア港を移動させたり、エジプトのエルアラメインの戦いで、1000台の戦車をドイツ軍に悟られずに移動し幻の大軍を創り出したり。
その極めつけがスエズ運河への大規模空爆から防衛、武器もなしに敵を殲滅させた・・・。
はたして、どうやって?

~解答編~

アレキサンドリア港の移動→別の港を作って好きなだけ爆撃させた。

1000台の戦車の移動→はりぼてで輸送車を装い、輸送車は戦車に仕立てた。

スエズ運河を消す&ドイツ軍撃墜→ストロボ光の機械を作り強烈な光を当てつづけた。

簡単に言うとトリックはこんな感じで、もちろん一言でいえないくらいの駆け引きがあったようです。

第二次世界大戦にて「砂漠のきつね」と呼ばれたドイツ国防軍の軍人、ロンメル将軍を倒し戦争に打ち勝った「マジックギャング」。
その当時のイギリスの首相、チャーチルには功績を認められたものの、本人が期待したほどの評価は得られませんでした。
そしてマジックギャングは役目を果たし解散。

その後、マスケリンは誰とも知られることなくマジックで暮らす平凡な一生を過ごしました。
マスケリンの功績はイギリス軍の最高機密として決まった1946年から100年の間封印され、2046年に公開予定らしいです。

Wikipedia:ジャスパー・マスケリン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%AA%E3%83%B3

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