変な遊び

変な遊び 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

子どものころ、自称霊能者の友達から変な遊びを教わった。
印を結んで、目をつむって歩く。
この動作を毎日繰り返すと、目を瞑っても、ものを見ることができるようになる、というものだ。

一時期、俺らは公園でこの遊びを毎日やった。
やがて、本当に俺は目を瞑っても前が見えるようになったんだ。
それが面白くて、俺はそれをどこでもやるようになった。

それでその日は目を瞑りながら犬の散歩をしてみることにした。
いつものルートを外れて池の周りをとおってみることにした。
そして、歩いていると白いワンピースみたいなのを着た女性がいたんだ。
歩き方が変だった。
足を動かしてもいないのに、すごい勢いでグルグル動いている。

その人は俺に気がついたようで、すごい勢いで俺のいるほうに近づいてきた。
逃げようと考えたが、足が震えて動かない。
その女は目の前までやってきた。
口と目を大きく開いて、ムンクの叫びのような顔をしているのがわかる。

女は俺の首につかみかかろうとした。
俺はあせって後ろに尻餅をついた。
もうだめだと思った。
その瞬間、俺は目をパッと開いた。

女は消えていた。

自称霊能者にこの出来事を伝えると

「すげーーー!いいなーー!俺もやろっ」

というだけで助言も何も言ってくれなかった。

でも後日、

「あそこではやめたほうがいい。あぶねぇ」

と言ってたので、ヤバイトコロだったんだろうな。

それ以来、その遊びは止めたし、変なことも起こらなかった。
ただ、あの時女に触れたらどうなってたのかを考えるとゾッとする。

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