夏はオカルトの季節。
中学生のとき、バレー部に所属してました。
夏には各部活が「芋煮会」というイベントを開催するんです。
まぁただ焚き火で鍋やるだけなんですけど。
で、おたまが足りなくなって、校舎の本館に行きました。
そしたら同期の部員が「わああああーん!」て泣きついて来るんです。
「どしたの?」って聞くと、涙目でトイレを指差しました。
中学校は4棟からなる古い校舎で、本館は教務員室やひまわり級、(いまこんな呼び名するのかな・・)、音楽室など専用クラスばかり。
通常の教室は別の棟にありました。
そこは本館の一階の、誰も使わないトイレの前でした。
どうしたのか聞くと、「誰もいないのに奥から音が聞こえる」とトイレを指差して半狂乱で言うんです。
「誰か入ってんじゃないの?」となだめ、トイレに入りました。
奥から、確かにトイレのゲタの音がカタカタ聞こえ、トイレットペーパーをカラカラ回す音が聞こえました。
奥の扉が閉まってるので、「誰か入ってるじゃん」と言ったら、彼女達は本当に深刻な目で、「だからいないんだって。音だけなんだって!!」と言い、走って外に逃げてしまいました。
私も怖くて逃げましたw
確かに音は聞こえた。
確実にあそこに人はいる。
気になって、別の日にクラスメイトを誘ってそのトイレに入りました。
やっぱり、その時もゲタの音とペーパーを回す音が聞こえました。
もちろん奥の扉は閉まってます。
水を流す音も聞こえるんです。間違いじゃない。
奥まで行ってみると、左右に扉がありました。
左側に6つ。右側の奥に1つ。
奥の右側のドアから音が聞こえます。
もちろんドアは閉まったまま。
勇気を出してノックしてみたけど、返事はありませんでした。
クラスメイトは勇敢な子で、なんとトイレのバケツを足場に、上から覗いて人がいないことを確認し、モップでドアの鍵を開けました。
開いたトイレは・・・・
明らかに他と違い、旧式の便器で蜘蛛の巣が張ってました。
そしてなぜ左に6つも個室があるのに、右には1つなんだろう?
よく見ると、隣2つの個室はセメントで固められてました。
固めたあとに壁と同じような色のペンキで塗られていたのです。
ここで何があったんだろう?
怖くなってその場を去りました。
そして、3日後そのトイレに行くと、やっぱりドアは閉まってました。
用務員さんとか、普通気付くよね?
あそこはずっと閉まったまま。
謎は解けず、今もその中学校は横浜にあります。