いつも見てるだけなんで・・・。
長いけどゴメンね。神戸の牛女の伝説はご存知ですか?
西宮の鷲○寺が有名ですが、神戸の六○山にも噂があります。
凄まじいスピード車やバイクを追ってくる牛頭人体の妖怪の話です。
これのルーツになったのは第二次大戦中に発見された屠殺業の娘が牛頭人体であったという噂のようですが、こちらの方はとくに人を襲うといったものではないようです。
これらの噂の真偽についてはネットで検索すればすぐに見つかると思いますので、
リンクは致しません。
もっともこの話は地元の者は皆知っていますし、肝試しに行く者も少なくありません。
私の友人Aも六○山にある神社に出るらしいと噂を聞きつけ、遊び半分で肝試しに出かけたようでした。
噂のある神社かどうかわかりませんが、神社らしきものを見つけたと言っていました。
しかし、その神社に近づくと車のヘッドライトが消えたり、エアコンの調子が悪くなったりしたため気味悪くなりすぐに帰ったそうです。
・・・・私がこの話を聞いた数年後、不思議な話を聞きました。
体験したと言った方がいいのかも知れません。
まったく別の友人の自宅で数人(仮に私、B子、C子)集まり鍋をしていたのですが、ひょんなことから、話題が怖い話になり、私はなにげに前に聞いた友人Aの牛女の話を話しました。
するとその中の一人の女の子(B子)の顔がふと曇ったように見えました。
私と目が合った彼女は、ぽつりぽつりと話だしました。
B子「私もいったことあんねん・・・たぶん同じとこ。
彼氏と友達4人で。車でいってんけどな。
遠くから様子を見ると境内っていうんかなぁ、鳥居が見えたわ。
意外とひろくてなぁ。軽自動車なら、なんとか敷地内まで車で入っていけそうやったし、車の中やったら怖くないやろっていう話になって入っていったんよ・・・・・・」
C子「うそぉ、まじで?」
B子「・・・・それでな・・・・ちょっとずつ車で入っていってんけど、“軽”やったから入れるんは、入れたけどなんかあってもUターンも出来ひんやんとか思ってたら、目の前に鳥居が迫ってた・・・。
鳥居をくぐった辺りでふと前を見たら、ちがう・・・ずっと見てたけど、気づかんかったんかな・・・・いやおらんかった絶対!」
(B子の様子がおかしい・・・)
C子「?なにが?おらんのん?」
B子「境内っていうん?賽銭箱がある辺りに・・・四つんばいになった女・・・
白い着物着てた。みんなが気づいた瞬間にそいつ、飛び上がったと思ったら、車まで5m、ううん10mぐらいあったのに、一瞬でボンネットに飛び乗ってきた。」
C子「・・・・・顔見たん?」
B子「顔は人間やったと思う・・・。でもダラダラすごい涎垂らしてた・・・。」
C子「それでどないしたん?」
B子「逃げようとしても車のエンジンがいつの間にか止まってて、ライトもなにもつかへん。
そのまま数分間、みんなかたまってた・・・。
あいつもじぃってみんなの顔を見とった・・・。
そのうち近くに“他の車”が来たような音が聞こえてきて、助かったって思った。
その時、私らの車のエンジンが、今度はいつの間にかかかってんのに気づいて。
訳わからんかったけど、運転してた彼氏の頭叩いてん。
そしたら彼氏がすごい勢いでバックしだしてんけど、それでもあいつはボンネットでしがみついてた・・・。
でも、鳥居を超えた瞬間に、またすごい勢いで境内のほうに・・・
こっち見たまま後ろ向きにジャンプして戻ったのが見えた・・・。
すごい勢いで飛び出したから、“別の車”にぶつかりそうやったけど、そんなん気にせんと、飛んで逃げたわ。
その後、みんなでファミレスで朝まで一緒にいたけど、誰も何もしゃべらんままやった。」
C子「・・・・・みんなその後、なんにもないの?いや事故とか?」
B子「・・・・ううん、なんにもないよ。」
C子「・・・・!・・・やめよこの話。」
B子「え?」
私「どないしたん?」
C子「そこのコタツ下・・・そこのコタツの下の足のとこに・・・着物来た20cmぐらい人が、おった・・・・。」
一同「・・・・・・・・・・・!!」(私もすぐに見たが何もいなかった)
B子「どんな人?」
C子「女の子・・・おばあさんかな。
かっこは女の子の着物やったけど、顔はおばあさんやった・・・・。
こたつの足に隠れるみたいにして、盗み聞きしてるみたいやった。」
私は何も見ていませんし、あまり幽霊とかは信じてないですし、B子はともかくC子はお調子者だったので、話を盛り上げる為の芝居かとも思っています。
でも、ひとつ気になるのは最初に話した友人Aの話。
あの時Aはこうも言っていました。
「そうそう、俺らがびびって帰ろうとした時、すごい勢いでバックで飛び出してくる“軽”がおってなぁ。
俺らの他にもビビリがおってんやろなぁ。ははは」