俺はのんべんたらりと田舎町まで来ていた。
閑静な住宅街といったかんじだ。
俺は踏み切りを渡った。
線路のほうを見てみると若者たちが何人かスタントバイミーごっこをしていた。
ようは線路を徒歩で渡っていたのである。
電車が若者たちの正面からやってきた。
それを見ていた住人たちの悲鳴が上がる。
電車がガタンゴトン、とブレーキをかけながらも通過した
そのまま走り去ったところを見ると、誰も轢かれてないようである。
ほっと一安心してとことこ歩いているとギガビート(携帯音楽再生機のこと)が落ちていた。
拾って中を見てみると、ほぼ、中身は俺と一緒だった。
8割俺と同じ曲が入っていたのだ。
一瞬、俺が落としたのかなと錯覚しポケットを探ってみると自分の奴はちゃんとあった。
曲の中には不気味なセレクトの曲もあった。
俺はネコババすることも考えたが不気味な曲が気持ち悪かったので交番に届けることにした。
交番は時間制になっていた。
「受付はAM10時から」などと書いてあったがもうすぐ10時なので一足早く受け付けてもらえた。
拾った旨を説明すると制服警官が出てきた。
どうも、このギガビートは呪われてるらしい。
今日の夜、順番どおりに指定の場所へ行かないと死ぬみたいなことを言われた。
警官は昼のうちにそこに案内してあげると言った
俺は薄気味悪い商店街に入っていった。
警官が案内してくれるのは商店街の不気味なばばぁの店とか柄の悪そうな酔っ払いの集うラーメン屋などだった。
商店街自体も薄暗い不気味な雰囲気をかもし出していた。
今は警官と一緒で心強いが、夜になるとここにひとりで来ないといけないと言う・・・怖かった。
そして、夜を迎えた。
警官は俺に携帯を渡した。
ここに悪霊?からヒントの電話がかかってくるらしい。
早速、電話がかかってきた。
機械の女の声でアナウンスがあった。
「○○(悪霊)から直接ヒントをもらう場合は1を機械でアナウンスしてもらう場合は2を押してください」
ずいぶん、現代的な悪霊だ。
たいてい、直接悪霊と話をするとろくな目にあわない俺は2を押した。
すると、なぜか北側大臣が電話に出た。
「領土の3分の2は~云々」
俺はわかった。
これはドッキリだと。
そこで俺は目を覚ました。
警官は俺に携帯を渡した。
ここに悪霊?からヒントの電話がかかってくるらしい。
早速、電話がかかってきた。
俺は悪霊からヒントをもらいつつ商店街をくくりぬけていった。
まるで千と千尋を思い出させるようだった。
悪霊は「私のことは誰にも話してないだろうな?」と聞いてきたので「警察に話した」と答えた。
悪霊は悔しそうに姿を消した。
後もう少しで夜空が見えるというところ、商店街の中で意識が途切れた。
おきてみると、そこは病院だった。
後でわかったことだが、スタントバイミーごっこをしてたのは俺「たち」だった。
あの時交番にいた警官はどうやら、俺を助けてくれた警官のようである。
そして、電車は走り去っていなかった。
重症だった俺は生死の境をさまよってたらしい。
悪霊に負けていたらおそらく、あの世へ向かっていたのだろう。
この世までいろんな意味でエスコートしてくれた警官に感謝した。