実は俺はある時期まで人外だったかもしれない。
小学校低学年の頃、徒競走で空を飛んだ記憶がある。
あーまた俺君が空飛んでズルしてる!
と女子に言われた記憶がある。
他には遠足登山で飛びながら頂上までいってしまい、先生に
「羽じゃなく足を鍛えろ!コラッ!」
と注意された事もある。
それから血が繋がってるかどうか分からないのだが外国人のお姉さんが居た。
ある日、遠くに転校する事が決まった時
「転校したくない」
と大泣きして抗議した時にお姉さんに
「じゃあこのままこの星に居るの?
それならこの星の人間にならないといけないのよ?
羽も無くなるし地球人は大変なんだよ?」
と言われてキョトンとした覚えがある。
幼年期のそれ以外の記憶は殆ど無い。
小学校高学年つまり小四の時には草野球していた記憶がある。
それ以降の記憶が鮮明なだけにちょっと不思議に思えるんだが。
もっと不思議な事は両親に俺の幼い頃の事聞いても記憶が無いって言うんだよ。
赤ん坊の時の記憶も無い、母に至っては産んだ時の事すらも覚えてないって言ううすら寒い話。
「無いっつってもそんな筈は無いだろ」
って両親をいつも問い質すんだが。
そして極めつけは俺に姉なんて居ないって事。
当然転校の話も記憶に無いそうだよ。
姉さんの記憶はどうしてもトラウマなんだよな。