カナダ北西部のマッケンジー山脈には「首無し男の谷」と呼ばれる物騒なスポットが存在している。
かつて、首無し男の谷の周辺は「怪物が住み着き、邪悪な霊が彷徨う場所である」と言い伝えられていて、カナダの先住民族達から忌み嫌われていた。
しかし、最も恐れられていたのは、この山間の地域を根城にしていたナハニ族だ。
ナハニ族の戦士たちは仮面と鎧で武装し、不用意に近づいてきた余所者に容赦なく襲いかかる。
そして、命を奪った犠牲者の頭部を切り落とすことで知られていた。
しかし19世紀の頃になると、ナハニ族は忽然と姿を消した。
凶暴な一族は滅んでしまったかのように思われていたが、周辺地域では20世紀に入ってからも、不審な怪死事件が相次いだ。
1908年、この地域で金の採掘を行っていたマクラウド兄弟が失踪。
しばらくして、兄弟の遺体が発見されたのだが、彼らの頭部は切り落とされていた。
1917年、鉱山で働いていたマーティン・ジョージェンソンの山小屋が全焼。焼け跡から発見されたマーティンの焼死体には頭部がなかった。
いつしか周辺地域は「首無し男の谷」と呼ばれるようになり、1969年までに44人が原因不明の失踪、または頭部のない変死体で発見された。
また、周辺地域では「森の中を歩く巨大な類人猿を見た」「奇妙な光を見た」など不可解な目撃情報も少なくない。
ただ、現在まで「首なし男の谷」周辺の詳細な調査は行われていないので、多くの事件の真相は謎のまま。
もしかすると、今でも「首なし男の谷」にはナハニ族の末裔が…