母方の祖母は『不思議な力を持っている人』と親類の間で言われていました。
なんでも、仏様の力を借りてイロイロ見えない物が見えるとか、予知とか出来たみたい。
私はあまり信じていませんでしたが。
ある年、母が倒れ緊急入院する事になりました。
医者が言うには末期の卵巣腫瘍で、「もって半年」との診断。
私達家族は当然ショックを受けたんですが、こんな刺激の強い事をおばあちゃんに話してショックで倒れたらいけないという事になり、彼女には「悦子(母)は過労で入院した」と話しました。
するとそれを聞いた祖母は、普段は気丈すぎる程に燐とした性格なのに、その時に限って「悦子が可哀想だ・・」とシクシク泣きだしました。
過労って言っただけなんですが。
その夜から祖母は、信仰している仏様(私にはよく分りませんが)に向かってひたすらお祈りを始めました。
物凄い集中力だったそうです。
そして一週間程経過したある日、祖母は倒れて入院しました。
同時に、いつ死んでもおかしくない母の体調が急激に回復し、あっと言う間に越えれる筈も無い峠を越えました。
医者は「こんな事有り得ない。信じられない」とさかんに首を捻っていました。
一方、倒れて入院した祖母ですが・・
元々は太った人だったんですが、私がお見舞に行った時には別人のように痩せ細っていました。
癌との診断で、彼女は入院して数日で亡くなりました。
もう、どう考えても祖母が母の身替わりになったとしか考えられないんですよね・・。
医者も「奇蹟だ」みたいな事言ってたし、
母は当然「おかあさんが身替わりになって守ってくれた」と言って涙していました。
霊的なモノじゃないかも知れませんが、母が子を思う気持ちには凄まじい力があるんだなぁと、実感しましたね~。