これは三年前の話なんだけど、昔ある宗教団体に入ってた。
その時の話をしようと思う。
一時期話題になった駅前で手相みて、それを糸口に勧誘するってのあるじゃん?あれをさ、その時やってたの。
今思うとあんなの怪しすぎるだろーって思うが、俺も洗脳されててね…まあそん時は普通にやってたわけ。
で、その日もかわらず駅の近くでそれやってたんだよ。
冬だったからわりと暗かったんだ、人通りはまばらだった、まぁいつもみたいに声かけたんだよ。
相手は所謂地味系のおにゃのこ。
声をかけたら最初はちょっと俺を気にしつつシカト、でも俺ねばる、ねばる、ねばる。
おにゃのこ観念して俺に手のひらを見せる。
そしたらさ、その手のひらなんかおかしいの、暗いからよくわからんが尋常じゃないくらいボコボコしてる。
目も慣れてきて段々わかってきたら、それ、顔なの。
俺が触ってたそれは、鼻だった。
その子の手を持ちながら呆然としてたら、俺の手の妙な感触とともに「邪魔だ、離せよ」と低い声がした。
その手のひらのやつと目が合う。
状況がまったく理解できなかった俺は笑いながらおにゃのこに「すごいマジックですね」とかいってた。
それに対する女の子の答えは「ほんものなんですよ」って、しかもかなり嬉しそうな満面の笑み。
固まる俺。
手にナメクジの這うような感触
条件反射で手をみる俺。
考えなくても分かるが…手のひらのそいつが俺の指の付け根を舐めていた。
嫌悪感と恐怖と驚愕がないまぜになって吹き出た
「ぎゃーー!!!!!!!!」
叫びながら、足をがくがくさせながら、顔を蒼白にしながら一目散に逃げた。
すごく怖くて自分の手も穢らわしくて、もしかしたら手のひらのあいつに舐められた事によってあいつが生えてくるんじゃないかと本当皮が剥けるまで手を洗った。
本当に嫌で嫌でいっそ手を切ろうとか考えたりした、そこの宗教に頼ろうとしたけどやっぱり効果らしい効果も感じなくて、それが原因でそこを脱会した。
そいつに舐められた時の感触とかいまだに時々思い出してゾッとする。
でもそれ以上に怖いのは、朝起きた時に「よう」ってあいつが手に生えてくるかもしれない事。
三年前と比べたら全然ましだけど今でも怖い。
俺的には最凶に恐かったし今でも怖いんだけどな…文書にすると微妙だな、スマソ