小学校低学年の頃の話なんだけど、両親と二人の姉の5人でお墓参りに行った。
神奈川県在住で、墓地は千葉県。
事故で高速が大渋滞で、墓地に到着したのが夕方。
ちょっと気味悪かったが、せっかく来たのだから墓参りした。
母親が墓石の掃除を軽くしていた時、少し遠くにある塔の影から人らしきモノがこっちを見てた。
私はそのモノに釘づけだったが、お花も生けお線香にも火が付いたので、両手合わせて目を閉じた。
ナームー。
でもそのモノが気になって少し目を開けた。
そしたらそのモノが、家のお墓の3列奥にあるお墓の影まで移動していて、こっちを見てた。
男の人だった。
ちょっと怖くなってまた目を閉じた。
両親が「じゃあ、そろそろ~」なんて言い出したので目を開けたら…
その男の人は家のお墓の後ろに来ていて、片目だけでこっちをジーッと見てた。
なんの感情もない目。
怖くて姉にしがみついて、お墓から離れた。
後ろを振り向こうと思ったら、姉が「見ないの!」と言われたのでやめた。
その体験は封印した。
で、私が28歳の時、父親が亡くなった。
その千葉県にあるお墓に埋葬した時はじめて知ったのだが、少し奥にある塔は無縁仏の慰霊碑だった。
もう時効だと思い姉に1/2の体験を話した。
一番上の姉は知らなかったが、二番目の姉は終始見ていたと言う。
慰霊碑の影からのぞいていた人は、勿論歩いて移動したのではなく、スーっと消えてスーッと現れたと言う。
多分、無縁仏の霊だろうね…と。