世にも奇妙な物語 小野武彦主演の「ダジャレ禁止令」。
主人公はある会社の部長なのだがダジャレが大好きで、いつもダジャレを言っては部下を呆れさせている。
しかし日本で経済の低迷はダジャレを言うことによる効率の低下にあるとされ、ダジャレ禁止法案が可決されダジャレが犯罪となってしまう。
ダジャレが原因で逮捕、ダジャレを言って免職、政府を挑発するようなダジャレには銃殺刑も辞さないという。
主人公はすっかり消沈、同期のダジャレ好きの同僚も皆ダジャレが原因でクビになってしまった。
昇進をちらつかされて仕事に打ち込んでごまかそうとするも、どうしてもダジャレのことを考えてしまう。
気を紛らわそうと夜外に出ると、「田蛇嶺家升」→「ダジャレ言えます」という奇妙な張り紙の案内を見つける。
案内でたどり着いた場所には大勢の中年男性がダジャレを言い合いながら飲んでいる。
会社をやめた同僚もいた、そこは医者や国会議員の愛用者もいる国内最大のダジャレ地下組織だった。
同僚は言う「お前のダジャレ、皆に聞かせてやれ」その言葉を受け皆の前でダジャレを言いそうになる主人公。
そこに警官隊が踏み込んでくる、ダジャレ禁止令で逮捕される中年男性たち。
なんとか逃げおおせた主人公。
摘発の様子がテレビで中継される中、逮捕された同僚と目が合うが逃げるよう促される。
帰ろうとする主人公の頭の中に以前のダジャレを言い合う楽しかった日々、そして先ほどの同僚の言葉が浮かぶ。
「皆に聞かせてやれ」
「ダジャレを奪ったのは誰じゃ…ダジャレを奪ったのは誰じゃ、ダジャレを奪ったのは誰じゃ!」
警官に止められようとも、全国にその姿を晒されようとも一心不乱にダジャレを叫び続ける主人公。
直後銃声が響き主人公の胸を貫く。
「なーんちゃって…」
と言い残して主人公は倒れた。
放送当時はバカな話だなあ、としか思わなかったが改めて見ると最後にダジャレを言う小野武彦の姿が実にかっこよくてそれでいて哀しい。
そのまま撃ち殺されて終わりという救いの無い終わりだし、何より規制規制やかましい今のご時勢この話も笑って見れない。