イジメにまつわる怖い話。
結構凄惨なイジメがあった。
で、被害者は2階の階段から一階まで蹴り落とされて足の骨を折った。
少し騒ぎになったが被害者Bが泣き寝入りする形で
「遊んでる時の不注意」
って事で決着した。
勿論教師も生徒も皆気付いているがそんな事を真面目に告発するバカは居ない。
加害者Aは成績優秀スポーツ万能で教師受けも良く彼が居なければクラスは色々と成り立たないので皆必要悪だと思っているから。
そんなある日Aがソフトボール中にスライディング失敗して肩の骨を骨折した。
俺はその時ピッチャーやってたんだけど変な物を見た。
骨折の痛みに悶えてるAの後ろで、和服姿のババアが仁王立ちしている不気味な鎧武者に向かって泣きながら必死で土下座して何かを訴えている光景が見えたのだ。
え?と思って凝視すると鎧武者もババアもすうぅと透明になって消えた。
Aは学校を暫く休んでいたが約1ヵ月で復活した。
すると今度はサッカー中に両足を骨折した。
これは3ヵ月休んだ。
その時も一緒にプレイしていたが例の幻覚が見えた。
ババアと鎧武者だ。
相変わらずババアは鎧武者の足元を掴んで必死に何かを訴えていた。
だがババアの顔は刀傷でズタズタの血塗れにされていた。
鎧武者の表情は仮面みたいなので隠れてて分からない。
ただただ無感動な感じ。
周囲に確認しても見えているのは俺だけだった。
余りにも骨折が続くので検査を受けたが異常無しとの事だった。
だが次は又腕、その次は指、次は肋骨。
小学校を卒業するまでにそいつは合計6ヶ所を骨折した。
話は変わるがクラスメイトに守護霊が見えると主張する電波女が居た。
そいつ曰く
「もうAには守護霊が居ない」
「Bの守護霊か他の悪霊に殺されるのは時間の問題」
と言うのだ。
ある時電波女に気があるフリして近づき幻覚の事を詳しく聞いてみたのだがAの守護霊はBの守護霊に斬り刻まれてきにされて殺されたらしい。
最初は他の生徒の守護霊とAの守護霊が必死にBの守護霊の鎧武者を思い止まらせていたのだがAのイジメがエスカレートするにつれて次第にAの守護霊に加勢する霊は減っていったらしい。
霊と言うのは不滅では無く強い霊によって弱い霊が潰されるのは珍しい事では無いそうだ。
「Bの守護霊は特に強過ぎてAとAの守護霊は運が悪かったとしか言えない」
との事。
この時は霊の世界も結局は弱肉強食って事が分かって何となくホッとした。
ちなみにこの電波女と俺は結婚した。
料理が糞の様にマズいので今は後悔している。