南極の怪物

南極の怪物 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

親父がいつごろ南極へ行ったかを詳しく書くと結構限定されるから数年前って事にしておいてください。
それから親父の職業はこっちも詳しく書くと特定されるかもしれないから曖昧にしておくけど、まあ南極観測関係者とでも思っていてください。

んじゃ、前置きはこれくらいにして本題に入ります。
あのカキコをした翌日に親父に電話して事の詳細を詳しく聞きました。
日本を出航してしばらくしてから親父はNさんという人と仲良くなって良く話しをするようになったそうです。
親父もNさんも以前から南極観測チームの一員でしたが今回初めて同じ船に乗ることになったそうです。

ある夜、親父とNさんがいつもの通り世間話しをしていると、不意にNさんが親父に

「前回の調査の時、砕氷船のクルーが怪物を目撃したらしいんだよ。」

と言ってきたらしいです。
親父はどうせ氷山か鯨の誤認だろうと思いその時は適当に相槌を打っていたようです。

砕氷船のクルーが見たものは海面から突き出した巨大なニンゲンの上半身で、大きさは目視で15~20mくらいだと思われ、それが数体で群れており船で近づいた所海に潜って見えなくなったという事です。

それから程なくして船団は南極に到着したわけですが、その頃には親父はすっかりNさんの話しなど忘れていたそうです。
観測が始まって数日後、クルーの数人が船の甲板で騒いでいるのを見た親父は甲板に下りて行きクルーにいったいどうしたんだと尋ねると
今、不思議な物体を目撃したと言っており、何を見たのかと聞くと声をそろえて大きな白い人間と言ったそうです。

それを聞いた親父はNさんの話しを思い出しNさんの所へ行き、今クルーがNさんの話してくれたのとそっくりな怪物を見たらしいと報告したそうです。
すると、Nさんは親父に目撃したクルーを呼んでくる様に頼んだそうです。
親父がクルーをNさんの部屋に連れて行くとNさんは書類を取り出しクルーから詳細に話しを聞き出し記入していったそうです。

一通り記入し終えた後、Nさんは親父に近年この海域で正体不明の物体が目撃されるようになり、上層部の人の間でも話題に上り調査をはじめる事になったと言ったそうです。

結局この時点では正体はわからずじまいだったんだけど、今は調査完了ずみで正体は鯨の奇形のようです。
親父が言うにはオゾンホールなどの影響で特にこの海域で謙著に見られるとのことです。
実際に写真を見た親父いわく双頭シャム系の奇形や、頭部が異様に膨らんだ形などが多く、それが
人型に見えたのだろうという事でした。

あと、親父から聞いたおもしろい話しではステラー海牛は今も生き残ってるぽいらしいです。

ステラーダイカイギュウ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A6

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